50代になると、男性、女性をとわず口臭が発生する人は増えてきます。
年齢のせいといえばそれまでなのですが、この年代の口臭にどのような原因が考えられるかをみていきます。
50代の人に起こりやすい口臭の原因とは?
更年期障害による口臭!
これは主に女性に関しての口臭ですが、更年期(女性の閉経をはさんだ10年間、45~55歳頃の時期)に口臭が強くなる傾向があるのです。
更年期になると、女性ホルモンの分泌が減少してきて、閉経後にはほとんど分泌される事がなくなります。
このときに性ホルモンの影響をうける唾液の分泌も減ってしまうといわれています。また更年期障害により自律神経が乱れる事があり、これも唾液の分泌量を減らす原因となります。
そして、この唾液の分泌量の低下が、口臭を引き起こしてしまうのです。
口臭はどのように発生する? |
口の中では億を超える数の細菌が活動しています。
細菌は口の中の食べカスやはがれ落ちた粘膜などをエサにしているのですが、それらを分解して腐敗したときに、硫黄化合物の気体が発生します。 これが口臭の元になります。 |
この唾液の分泌が減って口の中が渇くことをドライマウス(口腔乾燥症)といいますが、その症状として口臭があります。
唾液が少くなることは、口の臭いを作り出してしまうのです。
たくさんの唾液が分泌される事で、食べカスなどの口の中の汚れ(=細菌のエサ)を洗い流すことができます。また唾液には細菌を殺したり活動を抑える成分が含まれ、抗菌作用も持つのです。
つまり唾液が渇くことによって、細菌が口臭を作り出すのを抑えることができなくなり、そのドライマウスが40~50代の女性に多く、口臭の原因になっています。
糖尿病
50代になって気になってくるのが生活習慣病といわれる病気です。
生活習慣病とは? |
以前は成人病といわれ、年齢とともに発症する病気と思われていたのが、若い頃からの生活習慣(食生活、睡眠、喫煙、飲酒、ストレスなど)に関係しているとわかってきた病気。 |
主な生活習慣病には次のようなものがあります。
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これらの中で口臭と関係があるのが糖尿病です。
通常、食べ物の中の糖質(炭水化物)から分解されたブドウ糖は血液を通って細胞にエネルギーとして使われるのですが、インスリンというホルモンが少くなったりちゃんと働かなくなって、ブドウ糖が細胞に届かず血液中に増えてしまう病気が糖尿病です。
そうなると細胞ではエネルギーが足らなくなり、脂肪を分解してエネルギーにしようとします。
そのときに作られるのがアセトンなどのケトン体と呼ばれる物質です。
これらの血液中の濃度が増えてしまうと体中を回って肺にも達してしまい、呼吸と一緒に口から出てきて口臭となります。
このケトン体の臭いは甘酸っぱい臭いで、糖尿病の特徴といえます。
糖尿病をはじめ、生活習慣病は日々の生活習慣が発症や進行に関わります。
睡眠や食生活などを見直して、規則正しい生活を送るようにしましょう。