鼻の粘膜に炎症が起こる事を鼻炎といいますが、この鼻炎が原因となって口臭が発生する事があります。
なぜ鼻炎によって口から臭いが起こるのでしょうか?その仕組みを見ていきます。
鼻炎の種類
まず鼻炎というものがどの様なものかを見ていきます。 鼻炎とは色々な原因により鼻の粘膜に炎症が起こることで、
- くしゃみ
- 鼻水
- 鼻づまり
などの症状が出るのが特徴です。 鼻炎の種類には大きく、
- 急性鼻炎
- 慢性鼻炎
- アレルギー性鼻炎
の3つに分けられます。
急性鼻炎
一般に鼻かぜと言われるものです。
主にウイルスの感染によって発症するもので、名前の通り症状が急激に進行し、1~3週間程で回復する場合が多いです。
風邪の症状と同じで、鼻水や鼻づまりの他にも発熱や喉の痛みなどが起こる場合もあります。
慢性鼻炎
鼻の粘膜が慢性的に赤く腫れて炎症を起こしている状態です。特徴としてはこの慢性化してしまった状態というのは放っておいても改善する事がほぼ無いという事です。
慢性鼻炎にもいくつかの種類があります。
慢性単純性鼻炎
急性鼻炎を繰り返し発症し放置していく事で、鼻の粘膜が赤く腫れた状態が続き慢性鼻炎に移行していくものです。鼻水は粘り気を増し、鼻づまりもひどくなります。
慢性肥厚性(ひこうせい)鼻炎
慢性鼻炎の人で多いのがこちらです。急性鼻炎を放置する事によって移行する他に、血管収縮薬の多用による副作用か原因にもなります。
慢性単純性鼻炎との違いは鼻の粘膜が腫れた状態が続く事で、今度は粘膜が赤みは引くのですが、厚く固くなってしまいます。また鼻水の量は減ります。
アレルギー性鼻炎
アレルギー性鼻炎とは、鼻の粘膜でアレルギーの原因物質と抗体(体を守るために作られる物質)が反応してくしゃみや鼻水、鼻づまりが起こる症状です。
日本人の20%から、データによっては40%の人がアレルギー性鼻炎といわれています。
アレルギー性鼻炎の原因となるアレルギー物質には、次の様なものがあります。
|
鼻炎になると、なぜ口臭が起こる?アレルギー性鼻炎には、ある時期に限定して起こる季節性のもの(主に花粉によるもの)と、1年中起こる可能性のある通年性のもの(ハウスダストやカビ)があります。
鼻炎で口臭が起こる理由!
鼻炎による口臭の原因としては、2つ考えられます。
鼻づまりによる口臭
鼻炎といっても、このような種類に分けられるのですが、どのタイプでも口臭が起こる可能性はあります。
それは全ての鼻炎に共通した症状の為なのですが、その症状とは、ずばり鼻づまりです。
鼻炎が起こると鼻づまりになる理由! |
急性鼻炎やアレルギー性鼻炎で鼻づまりになるのは、炎症によって鼻の中の粘膜がはれてしまい、鼻水の通りが悪くなってつまってしまうからです。
慢性鼻炎では上にも書いてますが、鼻水の粘りけが増え、つまってしまう場合もあります。 |
なぜ鼻がつまる事で口臭が発生するのかというと、通常人間は鼻で呼吸をしています。ところが鼻づまりによって鼻での呼吸がしんどくなり、口でも呼吸の助けをする様になります。
こ の口呼吸こそが鼻炎の時に口臭が起こる最も大きな要因なのです。
口の中では、食べカスなどのタンパク質をエネルギーとして細菌が活動していて、分解されたタンパク質が腐敗する時にガスが発生します。このガスが揮発性の硫黄化合物という口臭の元となります。
本来口の中は唾液の分泌によって潤った状態なのですが、口呼吸によって唾液が渇いてしまいネバネバになります。
唾液には口の中を自浄(清潔に保つ)作用があり、また口臭を、作り出してしまう細菌を殺菌する効果もあるのです。
つまり、口呼吸によって唾液が渇く事で、口臭が発生してしまうのです。
口呼吸による口臭の発生 鼻炎にかかる |
という流れです。
鼻炎による口臭は、鼻づまりが無くなれば解消する事も多いのですが、慢性の場合はなかなか解消されません。
「口呼吸のせいで口臭が?改善のための9つの方法!」
鼻づまりによる口臭の解消法は?
耳鼻科での治療は当然の事ですが、
- ガムなどで口の中を刺激して唾液の分泌を促す
- 水分をきっちり取る
など、常に唾液が口の中にある状態を意識しましょう。
「口臭対策の為に唾液を出す運動」
薬による口臭
もう1つ鼻炎の時に口臭が発生しやすくなる理由があります。
それは鼻炎の薬のせいです。
鼻炎には抗ヒスタミン薬という薬ががよく使用されます。
アレルギーの原因物質が体に入ると、細胞からヒスタミンという物質が出てきて、くしゃみや鼻水を出すようになるのですが、このヒスタミンを抑える作用を持つ薬です。
ところが抗ヒスタイン薬には、口渇(こうかつ)という口の中が渇いてしまう副作用があります。
これは先ほどと同じく、唾液の分泌を抑えて口臭を発生させる原因となります。
薬による口臭の解消法は?
抗ヒスタミン薬は効果が高く、多くの鼻炎薬に使用されているので、口の渇きによる口臭がどうしても気になる場合は、お医者さんに相談して薬の量や種類を変えてもらうなどの相談をしてみましょう。