生理的口臭と病的口臭?口臭の2つの原因はコレです!

生理的口臭と病的口臭

「口の臭いが気になる!」

「口臭の原因って何なの?」

そんな悩みを持っている人は結構います。

口臭には当然臭いの原因があるんですが、大きく分けると

  • 生理的口臭
  • 病的口臭

の2つに分かれるんですが、それ以外にはニンニクやタバコなど、口に入れたモノによる臭いが考えられます)、それぞれがどんなものなのかについてみていきます。

生理的口臭とは!

生理的口臭とは病気などが無くても、日常生活で誰にでも起こるもので、治療の必要は無いといわれています。

特に、

  • 朝起きた時
  • 空腹時
  • 緊張している時

などに口臭が強くなります。

誰にでも起こるのですが、だからと言ってまったくケアしないのはどうでしょう。その口臭で悩んでいる人に対して、「誰にでもあるから気にしないで。」というのも失礼な話です。

確かに病気でないので治療の必要がない、しようがないという部分はあります。また強い、弱いの差はあるものの、日常生活の中で必ず発生するものなので、完全にゼロにする事は不可能。

ですが臭いを少なくする、あるいは周りの人が気にならない程度にする為の対策、対処法はいろいろあります。

その為にはまず、生理的口臭の原因を知る必要があります。

生理的口臭の原因は口の中で発生するガスのせい!

口臭の臭いの元は何なのかというと、揮発性硫黄化合物(VSC)という、なにやら難しい名前の有毒のガスです。

揮発性とは非常に気体(ガス)になりやすい性質の事で、揮発性のガスは非常に少量でも臭いを感じやすいです。

揮発性硫黄化合物(VSC)の主な成分としては、

  • 硫化水素 (卵の腐った臭い)
  • メチルメルカプタン (魚や野菜の腐った臭い)
  • ジメチルサルファイド (生ごみのような臭い)

が挙げられ、そのほとんどを占めます。

またずいぶん難しい名前が並びましたが、硫化水素などは温泉や火山、下水などで発生しているガスなので、口臭が臭いのも納得です。

ちなみに口臭の中では、この硫化水素が一番検出される量が多くなります。

ではなぜ揮発性硫黄化合物(VSC)が発生するのでしょうか?

口の中には、きちんと歯磨きをしている人でも1000億個以上いるといわれています。その細菌たちが口の中で、食べカスやはがれた粘膜の細胞、細菌の死がいなどのタンパク質を分解、腐敗させることでガス(VSC)が発生します。

そして、このガス(口臭)の発生に大きく関わっているものがあるのです。
それが唾液です。

生理的口臭が発生する最も大きな原因は唾液の分泌不足によるものなのです。

唾液の知られざるパワー

唾液は、消化酵素により食べ物の消化を助けることで知られていますが、他にもいろいろな作用があります。「口臭対策のために唾液を出す方法!」

歯についた食べカスや歯垢を洗い流し、口の中を清潔に保つ自浄作用や、細胞の増加を抑える抗菌作用などです。

つまり唾液は、ガスを発生させる細胞が活発に活動する為の材料(食べカスや細菌の固まりである歯垢など)を減らし、さらに細菌自体にも増えないように働きかけるのです。

そんな唾液の分泌される量が減ってしまえば、口臭がきつくなるのは当たり前です。

 唾液
  ↓
 口をきれいにする
  ↓
 細菌を倒す

  ↓
 口臭であるガスを作る材料が減る
  ↓
 口臭を作る細菌が減る

こんな感じでしょうか。

つまり唾液が減ると、まったく反対の事が起こり、口臭が増えるんです。

口臭の強さは1日の中で変動している。

生理的口臭の一番の原因は、唾液の分泌が少なくなってしまうからですが、唾液は1日に約1~1.5リットル分泌されます。

それだけあれば足りるんじゃないの?と思いそうですが、1日の中で唾液の分泌量が減る時間帯があるのです。

そうです、それが朝起きた直後の時間や、空腹の時なのです。また時間帯とは関係ありませんが、緊張した時にも唾液の分泌が減ります。

朝起きた時に自分の口臭を感じて、この臭いが一日中続いているのかと思うとかなり悩みますが、そうではありません。食事中から食事後には唾液の分泌により、口臭は確実に減ります。

生理的口臭のケアには、特に強くなる時間や状況を理解した上での対策が必要であり効果的となります。

病的口臭とは!

病的口臭とは病気が原因の口臭で、基本的にはその病気を治さないと口臭は無くなりません。

逆に口臭の原因となる病気が分かって、完治すれば口臭は無くなります。

病的口臭の特徴としては、臭いが非常にきつく、一日中臭いを発しているので、本人が気付きにくいという事があります。

臭いを感じる器官である鼻は、ずーっと同じにおいを嗅いでいるとマヒしてしまうからです。

病的口臭の種類

口の中にある口臭の原因

  • 虫歯
  • 歯周病
  • 舌(舌苔)
  • ドライマウス(口腔乾燥症)

それ以外の口臭の原因

  • 胃腸 → 胃炎、胃潰瘍、胃下垂など
  • 肝臓 → 肝炎、肝硬変など
  • 呼吸器系 → 気管支炎、肺がんなど
  • 耳鼻咽喉疾患 → 慢性鼻炎、副鼻腔炎、扁桃炎など

病的口臭の80~90%が口の中の病気が原因といいましたが、全体でいうと口の中以外の病気が原因で口臭が起こっていることは、少ないと言えます。

生理的口臭(誰にでもある時間帯や状況によって起こる口臭)以外で口の臭いを感じる、あるいは指摘された場合は、まず歯周病や虫歯の疑いが最も強くなります。

歯科での検診を受けましょう。

他の病気の場合は、口臭に気付く時点で何か他の自覚症状が現れていることが多く、口臭=何か大きな病気、と気にしすぎる必要はありません。

ただしその様な口臭が存在するのは事実なので、知識として理解しておく事は有効です。

口臭の原因のまとめ

口臭の対策をするには、まず原因を知ることが大切です。

どこにも病気がなくても生理的口臭というって口の臭いが発生する事は誰にでもありえます。

それを病気だと思っていても解決しません。

まずは口の臭いがなぜ起こっているのかを把握する事が大事になってきます。