二酸化塩素という物質を知っていますか?二酸化炭素ならまだしも、なかなか耳馴染みのない物質かもしれません。
ところがこの二酸化塩素が口臭にいいという話です。
二酸化塩素とは?
二酸化塩素とは、分子式ClO₂で表されます。
沸点(気体になる温度)11℃なので、常温では気体として存在し、黄色がかった塩素の様な臭いのする気体。
特徴としては、除菌・脱臭・消臭などの効果が認められていて、日本では紙を作る際のパルプの漂白やプールの水の消毒にも利用されています。
日本では利用されていませんが、欧米では水道水や飲料水の消毒にも利用されています。
除菌効果があるという事で、体に対しての心配が有りますが、経口摂取(口から摂取する事)に関しては安全性が確認されていて、小麦粉の漂白や食品添加物としても認められているそうです。
殺菌力は塩素より強く(塩素の10倍とも)、体への安全性も塩素より高いと言われてます。
二酸化塩素(ClO₂ )が除菌する仕組み
口臭は口の中にいる細菌が活動する為に、食べカスなどのタンパク質を分解し、それが発酵・腐敗するときに発生する揮発性硫黄化合物というガスです。
つまり、口の中の細菌に働き掛ける事ができれば、口臭を減らす事につながります。
二酸化塩素は非常に強い酸化力を示し、その値は塩素やヨウ素よりも上。その強い酸化力で、細胞のタンパク質に働き掛け、変化をさせてしまうというのです。
その結果、細菌の構造自体を変えてしまい、その細菌の機能が低下するという事のようです。
その様な流れで細菌を除菌していくのですが、この二酸化塩素が含まれているマウスウォッシュがあります。
ClO₂(二酸化塩素)の製剤を基本成分としたマウスウォッシュがプロフレッシュという商品。
「口臭対策にプロフレッシュは効果がある?」
マウスウォッシュは歯磨きの代わりにならない?
その前にマウスウォッシュの効果を簡単に説明しますが、結論から言うと、基本的にマウスウォッシュを使用することで歯磨きが不要になる事はありません。
マウスウォッシュには、口に香りを付けて口臭をごまかす、というものが有りますが、このタイプは香水を付けているだけと同じで、当然口の中の汚れは落ちません。
次に、
殺菌成分を含んでいます!
というタイプのマウスウォッシュがあります。
こちらに関しては確かに、細菌を殺菌する効果があります。しかし、これで歯磨きをしなくても平気なのかというと、間違いです。
口の中で細菌は増殖を繰り返すと共にバイオフィルムというものを作りその中で増殖を繰り返していきます。これが歯垢の正体です。
バイオフィルムとは、不溶性グルカンという物質で、細菌が口の中の糖を材料に作ります。
バイオフィルムの特徴としては、とてもネバネバした粘着力があり、不溶性というだけあって、水に溶けません。
つまり口の中をうがいするだけでは、バイオフィルムが溶けず歯垢は取れません。そして口の中の細菌はほとんどが歯垢の中に存在しているのです。
歯垢(プラーク)はよく食べカスと勘違いされている事が多いのですが、実は細菌の塊なのです。
そのままマウスウォッシュをしても、殺菌できる細菌はバイオフィルムの表面にいるごく一部です。
歯垢を取り除き殺菌する為には、まずは歯ブラシで磨く事で歯垢の表面のバイオフィルムを壊して取り除かないと意味がないのです。
ClO₂のココがすごい!
ところがClO₂は、その強い酸化力からネバネバしたバイオフィルムの層を溶かして、細菌を殺菌する事ができるというのです。
水道管の中での実験ですが、実際にバイオフィルムの滅菌に効果があると実証されているそうです。
とは言っても、二酸化塩素入りのマウスウォッシュのみで口の中のケアが完全であるとは言い難いです。
というか無理だと思います。
唾液によって濃度も下がっていくので。
あくまで歯磨きが基本となってプラークを破壊し、そこでの補助的な使用によって効果を発揮すると考えるべきでしょう。