なぜコーヒーが原因で口臭が起こる?

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コーヒーが大好きで、毎朝必ず飲む、1日に何本も缶コーヒーを飲む、という人も多いと思いますが、コーヒーによる口臭が気になるところです。

コーヒー特有のあの臭いの原因は何なのか、そしてコーヒーの口臭対策はどうしたら良いのかを考えます。

コーヒーの香りが口臭の原因

コーヒーを飲んだ時に起こる口臭の原因には、主に3つあります。

コーヒー豆の焙煎

コーヒーは生の豆を焙煎する(火力で豆を煎る)事で、味と香りを引き出します。

そのコーヒーを飲むと、中の細かい粒が舌の表面に残ります。飲み終えた後に、口の中の唾液が減って渇いてくると、豆を焙煎したことによる焦げくさい臭いが漂ってきます。

この臭いがコーヒーを飲んだ時に発生する、独特な口臭の原因です。

またコーヒーを飲むときにミルクを入れる事があると思います。

よく牛乳は口臭を抑える効果があると言われますが、牛乳自体は硫黄分の多いタンパク質を含むので、細菌に分解され口臭を発生させます。

コーヒーと同じように、舌の表面に残ったミルクの成分が臭いを発生させ、コーヒーの臭いと混ざると、さらにきつい口臭となってしまいます。

タバコとの相性は?
コーヒーと一緒にタバコを吸う人も多いと思います。

タバコを吸う人にとっては相性は最高なのですが、口臭の面では最悪です。

吸っている本人はあまり気付いていない事が多いのですが、タバコとコーヒーの臭いが混ざり合ってかなり強い口臭となり、周りの人も間違いなく気付きます。

口の中が酸性に

通常食事をすると、口の中のpH(ペーハー:酸性かアルカリ性かの度合)は、酸性に傾きますが、コーヒーを飲んだ後は、さらに強い酸性を示します。

酸性の状態というのは、口の中の細菌が非常に活動しやすい状態といえます。

細菌はその中で増殖を進め、食べカスなどを分解して腐食させ、口臭となるガスを発生させてしまいます。

利尿作用

利尿作用とは、尿の量を増やして体の水分を排出しようとする作用の事ですが、コーヒーはカフェインを含む為、この作用が働きます。

体の水分量が減ると、口の中では唾液の分泌量が減少します。

唾液は口の中をきれいに保ち、細菌を殺す働きを持つ口臭対策にとって大変必要なもので、唾液の不足は口臭の発生に大きく関わってきます。

胃に悪い

コーヒーに含まれるカフェインは、胃酸の分泌を促します。

胃酸が出る事自体は、食べ物を消化するために必要なものなのですが、出過ぎは良くありません。

空腹時など、お腹に食べ物が無いとき、あるいはコーヒーの飲み過ぎは胃酸過多(胃酸が出過ぎる状態)となり、胃液が上がってくることで酸っぱい臭いの口臭が起こる原因となります。
「口臭の原因となる、逆流性食道炎!」

コーヒーによる口臭対策

コーヒーによる口臭の原因は、基本的に舌の表面にコーヒーの成分が残っているからで、それらが無くなれば、あとは口の中が酸性になっている事と、利尿作用による唾液の分泌不足だけとなります。

唾液は口の中を中性に戻す働きもありますので、口臭対策としては、舌をきれいにする事と、唾液を分泌させる事となります。

舌をきれいに

舌をきれいにするといっても、歯ブラシなどで舌の表面をゴシゴシ磨くのは絶対止めましょう。

舌の表面はとてもデリケートで、傷をつけると余計に口臭が発生してしまう事になります。
「舌ブラシを使わない方が良い訳」

一番良いのはうがいです。コーヒーを飲んだ後に、うがい?と思うかもしれませんが、一番安全で効果的です。

また舌の表面を、上あごつけてこすり、コーヒーの味が無くなるまで、続けます。これだと舌の表面にも優しいです。

唾液を出す

唾液は口の中のpHを中性に保つ役割もあり、コーヒーによる口臭には大変重要です。

まず唾液の分泌には、水分補給を行いましょう。

その際、ただガブガブ飲むだけではなく、口に含んで舌を動かすなど、唾液を出す事を意識しましょう。

ガムを噛む

ガムを噛む事で口臭対策を行っている人も多いと思いますが、ミントなどの香りで臭いをごまかすのが本当の目的ではありません。

ガムを噛む事の利点は、ガムの味、そして噛むときに舌やあごを動かす事により、唾液を出すことができる点です。


コーヒーの臭いは確かにきついのですが、胃からずーっと臭ってくるなどという事はなく、成分が無くなるまでの一時的なものなので、飲んだ後のケアを注意すれば気にしすぎる事はありません。