口臭を抑える唾液!成分や働きについてまとめてみました。

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口臭対策に最も必要なもの、それは唾液です。

口臭は病気によって発生するものを除くと、口の中で、食べカスなどを細菌が分解して腐敗する時に発生するガスがほとんど。

そして唾液は口の中の食べカスを洗い流したり、口臭を作り出す細菌を殺します。

そんな唾液の成分や働きについてみていきます。

口臭対策の味方!唾液の成分はほとんどが水?

唾液の成分には色々なものがあるのですが、割合でいうと、ほとんどが水です。
全体の99.5%を占めています。

主な成分は次のようなものです。

 水分(99.5%)
 無機成分
 ナトリウム・カリウム・カルシウム・無機リンなど
 有機成分
 アミラーゼ・マルターゼ・ラクトフェリン・リゾチーム・ラクトペルオキシターゼ・免疫グロブリン(I g A )・尿酸など

そんな成分の働きについてみていく事で、口臭へどのように働きかけるかが分かります。

水分

  • 口臭の原因となる物質を薄める。
  • 口臭の元である揮発性(蒸発しやすい性質のある)ガスを揮発させない。
    =気体を溶かして、閉じ込める。
  • 口内の洗浄。
  • 乾燥を防ぐ。

無機成分

  • 有機成分とともに、口の中を今の状態に保とうとする事で口臭を抑える。
  • 口の中のpHを中性に保とうとする。
    (食事で口の中は賛成に傾くが、酸性では細菌が活発に活動してしまう。)
  • 歯の再石灰化を行う。
  • アミラーゼ・マルターゼ
  • 消化酵素でデンプンを分解。
  • 分解の際に発酵して臭いの成分を出す。
  • また虫歯の進行を進めてしまう酸を作り出す。

ラクトフェリン

  • 糖と結合したたんぱく質。
  • 細菌が成長するのに必要な鉄と結合して、細菌の増殖を抑える。

リゾチーム

  • 抗菌作用のある酵素で、細菌の細胞壁を分解。その為細胞は溶けて死にます。

ラクトペルオキシダーゼ

  • 同じく抗菌作用を持つ酵素。ハイポチオシアン酸イオンという、非常に強い殺菌作用のある物質を作り出す。

免疫グロブリン(I g A )

  • 体内に細菌が入ってきたときに抵抗する為の免疫物質で、細菌の増殖を抑える。

尿酸

  • 他の酵素に分解され、口臭の原因となるアンモニアガスを産出。

この様に、中には一部口臭を出してしまう成分もあります。

ですが抗菌作用のある酵素やたんぱく質が、口臭を作り出す細菌に直接働きかけることで、元から対処してくれる訳です。

ではそんな唾液が持つ作用と口臭の関係について、もう少し詳しくみていきます。

唾液が持つ8つの作用!(そのうち6つが口臭と関係あり!)

唾液には、主に8つの作用があります。

  • 消化作用
  • 自浄作用
  • 抗菌作用
  • 粘膜保護作用
  • 緩衝作用
  • 再石灰化作用
  • 溶媒作用
  • 咀嚼(そしゃく)、飲込みの補助作用

そのすべてが口臭に関係してくる訳じゃないんですが、それぞれ詳しく見ていくと口の臭いとの深い関係が分かります。

消化作用

唾液の中にはアミラーゼという酵素が含まれます。

このアミラーゼは、食事の中の炭水化物に含まれるデンプンを分解して、腸で分解、吸収されやすい形に変えます。

自浄作用

歯のすき間や舌の表面などに残った食べカスや歯垢、細菌の死がいや粘膜が剥がれたものなどを洗い流す作用の事で、口の中を常に清潔に保ちます。

口臭を発生させる細菌が必要とするエサを洗い流す訳ですから、口臭を抑える為にとても重要な作用です。

抗菌作用

唾液の中にはラクトフェリン、リゾチームなどの物質が含まれ、病原菌などの細菌に抵抗する働きがあります。

この作用が無ければ、体の外側と通じている口から、体内にどんどん細菌が侵入してきてしまいます。

そして、これらの物質の抗菌作用が口臭を発生させる細菌を殺してくれるので、口臭を抑えられます。

粘膜保護作用

唾液には、粘り気があります。

この性質により、唾液に覆われた舌や粘膜は、食べ物や歯などの固いものから守られ、また口の中の渇きを防ぎ、発音などをスムーズにさせます。

口の中の乾燥(ドライマウス)は口臭の発生原因となるので、この点でも口臭を抑える役割を果たします。

緩衝作用

これは口の中のpH (酸性、アルカリ性の度合い)を、中性に保とうとする働きの事で、唾液の中の重炭素塩のイオンが関わっています。

食事の後は、口の中が酸性に傾くのですが、それは虫歯がとても進行しやすい状態といえますが、唾液はその状態を中性に戻そうとするのです。

虫歯は口臭の原因となります。

再石灰化作用

歯の表面では虫歯菌が酸を出して、表面のカルシウムなどを溶かしていきます。

この状態を脱灰(だっかい)というのですが、唾液には溶け出たこのカルシウムやミネラルを歯の表面に戻す作用があります。これを再石灰化作用といいます。

歯の表面では常に、この脱灰と再石灰化を繰り返しているのですが、唾液にこの作用が無ければ、虫歯はどんどん進行していきます。

そして、虫歯の進行に伴い口臭もきつくなっていきます。

溶媒作用

食事などの味の成分を溶かし、舌の表面にある味覚を感じる味蕾(みらい)という器官に届ける働きです。

唾液が無ければ、食べ物や飲み物の味覚は感じられないのです。

咀嚼(そしゃく)、飲み込みの補助作用

食事は唾液と混じる事で水分を含み、かみ砕きやすく、そして飲み込みやすくなります。

唾液が無ければ、水分の少ない食事をとることが非常に困難になるでしょう。


この様に唾液にはとても大切な役割が数多くあります。

そして直接的、間接的な差はありますが、口臭対策に関わりのある作用が多くあるのです。

(消化作用に関しても、口の中できっちり消化が行えなければ、胃の負担が大きくなり消化不良を起こします。胃の不調は口臭につながります。)

逆に口臭に関わりの無い作用は、溶媒作用と咀嚼の作用くらいです。

このことからも口臭対策には、新鮮な唾液を出来るだけたくさん分泌する事が、いかに有効な事かが分かります

そんな唾液を出す方法についてまとめてみました!

「口臭対策のために唾液を出す方法!」