口臭がドブみたいな臭いのときの原因と対策はコレ!

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あれっ?口臭がドブみたいな臭いになってる!

そんな経験ありませんか?

口臭はいろいろな臭いに例えられますが、その1つが「ドブのような臭い」。

ドブの臭いがするといわれる口臭の原因は何なのか、そしてその対策についてみていきます。

ドブの臭いとは?

「口臭がドブのような臭いがする」、と人に直接言う、または人から言われる事は少ないかもしれませんが、

  • 自分の口がそんな臭いがする
  • あの人の口臭はドブ臭い

と感じることありませんか?

そもそも、ドブのあの臭いは、どのような成分によるものなのでしょうか?

ドブの臭いの成分

ドブの中では、水がよどんで酸素が足りない状態のまま、底にはヘドロ(有機物を含んだ泥)が溜まっています。

そこでは酸素の嫌いな(酸素が無くても増殖できる)嫌気性細菌と呼ばれる細菌が、ヘドロの中の有機物質を分解して腐敗させます。

その時に発生するのが、

  • 硫化水素
  • メチルメルカプタン

という物質。

よくドブ川からメタンガスが発生しているといわれますが、メタンガス自体は無臭の気体で都市ガスなどのメタンガスの臭いがするのは、ガス漏れの時にすぐ気付くようにわざと臭いを付けているのです。

つまり

ドブ川の臭いといわれる物質は、主に硫化水素やメチルメルカプタンという有毒のガスによるもの

なのです。

口臭がドブの臭いのする理由は?

では、なぜ口からドブのような臭いがするのでしょう。

口臭には大きく分けて、生理的口臭と病的口臭の2つの種類があります。

生理的口臭
臭いの強いか弱いはあるものの、誰にでも起こる口臭。

朝起きた時や、緊張している時、空腹の時、女性の生理中など、ある時間帯、状況などによって発生するもの。

原因としては、口の中の唾液の分泌が減ることにより、細菌の活動が活発になりその過程で、口臭の元となるガスが作り出されるため。

病的口臭
体の中の何らかの病気や不調によって発生する口臭。

特徴としては生理的口臭と異なり、その原因、病気が解消されるまでは、臭いがし続けている事で、徐々に臭いがきつくなっていくので、本人が気付かない場合も多い。

鼻や胃、肝臓など、いろいろな場所の不調によって口臭が発生する可能性があるが、病的口臭の90%以上は口の中に原因があるといわれる。

生理的口臭によって発生するガスがドブ臭い原因になる!

口の中では、ドブの中で起こっている事と同じような事が起こっています。

口の中では食べカスなどを細菌が分解し、腐敗させてガスを作り出しています。

そしてその時に出来るガスをまとめて、揮発性硫黄化合物と呼ばれるのですが、具体的には次の3つの物質がそのほとんどを占めます。

  • 硫化水素
  • メチルメルカプタン
  • ジメチルサルファイド

そうです、ドブ川から発生しているガスと同じ物質が作られているのです。

同じものができているので臭いが同じなのも当然。

ちなみに硫化水素は 卵の腐ったような臭い、と例えられる事が多いですが、実際にゆで卵からも硫化水素は発生しています。

メチルメルカプタンは 腐った玉ねぎの臭いといわれる事が多いようです。

歯周病による口臭がドブの臭いの原因になる!

病的口臭でも、ドブの臭いのする口臭を作り出す病気があります。

それが歯周病です。

歯周病とは?
口の中に歯周病菌が感染する事によって起こる、歯茎の炎症を伴った病気。

歯茎が腫れて歯と歯茎の間に、歯周ポケットと呼ばれるすき間ができる歯肉炎と、さらに進行して歯を支えている骨が溶かされていく歯周炎の2つを合わせて歯周病といいます。

歯周病の時にも生理的口臭と同じ成分の気体が作り出され、病気の進行とともに臭いもきつくなっていきます。

歯周病の特徴としては、硫化水素よりも臭いの強い メチルメルカプタンの割合が生理的口臭の時よりも高くなるということ。

そのため歯周病の人の口臭は、よりドブのような臭いが強くなるといえるでしょう
 「歯周病になると臭いがおこる原因は?」

虫歯のせいで口臭がドブの臭いになることも!

虫歯も初期のうちはそれほどきつい口臭はしないんですが、歯を溶かして穴が空いてしまうような状態になると虫歯のなかで腐敗が進みます。

さらには歯の神経が腐ってしまう事も。

このような虫歯が進行してしまった場合にも腐敗臭により、ドブのような臭いがすることもあります。

ドブ臭い口臭の対策は?

他の原因でもドブのような臭いがする事があるかもしれませんが、その多くは口の中にあります。

生理的口臭によるドブの臭いの対策!

生理的口臭の原因は、口の中に唾液が不足している事が1番の要因です。

つまりできるだけ多くの新鮮な酸素を含んだ唾液を、常に分泌させる事が重要となります。

水分をとる

 水の画像

体の水分量の不足は、唾液の量を減らしてしまいます。少量をこまめにとるようにしましょう。

ガムをかむ

 ガムの画像

ガムを噛むことは、その香りで臭いをごまかす事以上に、その味やアゴ、舌の動きによって唾液を出す事に大きく役に立ちます。その意味ではミンティアなどのタブレット菓子も効果があります。

ツボを押す

ツボの画像 

ツボの中には唾液を分泌させる、というものがあります。場所を気にせず気軽に出来る唾液の分泌方法といえます。
「口臭対策に効くツボとは?」

他にも唾液を出すための方法は色々とあります。参考にどうぞ。
「口臭対策のための唾液を出す運動」

歯周病によってドブの臭いがする場合は?

歯周病が原因でドブのような臭いがする場合には、歯周病を改善するしかありません。

歯周病の改善には、セルフケアとプロフェッショナルケアが大切になります。

セルフケア

 歯磨きの画像

普段の生活で自分で行うケアの事で、具体的には歯周病を進行させる細菌の塊である歯垢(プラーク)の除去です。正しい道具を用いて、正しい方法で出来る限り歯垢を除去する事が必要です。

プロフェッショナルケア

歯医者の画像 

口の中のプロである、歯医者さんによるケアの事です。歯垢の除去は、個人で完全に取り除くことは難しく、歯周ポケットも深くなると、歯ブラシでは届きません。

また歯垢が固まって歯石になると、これもブラッシングでははがれません。

そこで歯医者さんでのケアが必要となります。専用の器具で定期的(3ヶ月~半年に1回程度)なクリーニングをしてもらいましょう。


歯周病は、自覚症状が出にくく、自分は大丈夫と思っていても、実は歯周病になっているということがあります。 30歳以上の80%が歯周病、というデータもあるくらいです。

気付いた時には手遅れで、歯を抜かないといけない、という事もあるので、予防歯科という考え方からも、検査や歯磨きの指導もかねて、歯医者さんで診てもらいましょう。

虫歯によってドブ臭い口臭がする時は?

これも当たり前ですが、虫歯の治療にいきましょう。

歯医者さんというのは何回か通わないといけない場合がほとんどで、すぐに終わるのは本当に初期の虫歯だけです。

ただ虫歯が原因の口臭ならば、歯医者さんで治療してもらうことで、かなりの改善が見込まれます。

注意が必要なのは、 口臭の原因が虫歯+歯周病という可能性もある、ということですが、どちらにしても原因の1つとなっているのなら、治しておくべきです。