口の臭いにはいろんな要因がありますが、その1つにドライマウスがあります。
ドライマウス(口腔乾燥症)とは、唾液の分泌が減って、口の中が渇いてしまう症状です。
唾液の量が減る原因にはいろいろあるのですが、唾液の分泌が減ると口臭の原因になってしまうんです。
唾液と口臭の関係やドライマウスの対策についてみていきます。
口臭を引き起こすドライマウスとは?
口臭とは、口の中の細菌が食べカスなどを分解、腐敗させて発生させるガスです。
そして唾液には、口臭を抑えるための大切な役割があるんです。
口臭に対する唾液の働きとは? |
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つまりドライマウスになると、唾液が減る事で口の中が渇き、自浄作用や抗菌作用が効かず、口臭が発生する可能性が高くなるのです。
そのドライマウスの人口は、現在800万人、潜在的な人を入れると、3000万人と言われています。
自分では気付いていない人も多いので、よくある症状を挙げてみます。
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当てはまる項目が多い人は注意が必要。
ドライマウスの原因は、口の中の渇き=唾液の分泌が減る事にありますが、なぜ唾液の分泌が減るのでしょうか?
主な原因をみていきます。
加齢によるもの
年齢とともに、口やあごの筋力が低下し、唾液の分泌が減ります。個人差はあるものの誰にも起こります。
薬の副作用
薬を飲んで、口が渇いた経験はありませんか?多くの薬が副作用として、唾液の分泌を低下させてしまいます。(口渇)
700種類以上の薬にドライマウスを引き起こす可能性があり、鎮痛剤や抗ヒスタミン剤(花粉症の治療にも使用)など、なじみのある薬にも、その副作用があります。
食生活の変化
現代の食事は昔と比べて、あまり噛まなくても食べられるものが増えています。(ファストフードなど)
実際に一回の食事あたり、戦前では平均1400回噛んでいたのが、今では600回に減っています。噛む回数が減る事は、唾液分泌の低下につながります。
他の病気によるもの
糖尿病、腎臓疾患、シェーグレン症候群などの病気では、症状として口の渇きが起きます。
ストレスや緊張
唾液は自律神経の影響をうけます。ストレスや緊張を感じているときは、さらさらの唾液を分泌する神経が働かず、口の中がネバネバになってしまいます。
更年期の女性
唾液を分泌する唾液腺は性ホルモンの影響を受けるのですが、女性ホルモンが減少する更年期の女性はドライマウスになりやすいです。
ドライマウスになる原因はいろいろありますが、それに応じた
口臭の原因、ドライマウスの対策は?
病気や薬の副作用によるドライマウスの対策
この場合は病気を治す事が前提となりますが、その治療の為の薬の副作用でドライマウスになっている、という事もあります。
当然、治療の為の薬を飲まないという訳にもいきません。
副作用として唾液の分泌が減ってしまう薬というのは非常に多く、病気によっては、他の副作用の無い 薬への変更がきかない事もあるようです。
その為対策としては、唾液以外のもので口を保湿、潤す事になります。
保湿剤が配合されたマウスウォッシュや、保湿スプレー、保湿ジェルなどがこれにあたり、多くの商品が市販されています。
また病院でドライマウスの診療を受け、人工唾液やうがい薬の処方により症状を抑える事になります。
それ以外の原因によるドライマウスの対策
水分をきっちり摂取
体内に必要な水分量が確保されていないと、唾液の分泌は減ってしまいます。
この時、コーヒー、緑茶等はカフェインを含み、利尿作用(体の水分を尿として排出してしまう作用)が働き、逆効果となるので、とりすぎに気を付けましょう。
食事の時はよく噛む
噛むことは口や舌を動かし、唾液の分泌を促します。また意識して噛みごたえのあるものを食事の中に取り入れましょう。
そして一口ずつ、少量を口に入れて、奥歯できっちりと噛み締めることを意識しましょう。
食事中に水分を摂りすぎると、あまり噛まなくても飲み込めてしまうので控えます。
合成界面活性剤を含まない歯磨きを使う
合成界面活性剤とは化学的に合成された洗剤で、その中のラウリル硫酸ナトリウムという物質が、多くの市販の歯磨きに配合されています。
これは舌など、口の中の粘膜への刺激が強く、ドライマウスを引き起こす原因とも言われています。
口の筋力を鍛える
ドライマウスの対策として、OFT(:Oral Functional Therapy)と呼ばれる口の中の筋力を鍛えるトレーニング(口腔機能療法)を行います。
2ヶ月、3ヶ月と期間はかかるのですが、確実に唾液の分泌量を増やす効果があり、病院でトレーニングの指導を受けられます。
ココでは簡単にできる方法を挙げておきます。
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ドライマウスは、口が渇くだけと簡単に考えがちですが、そんな単純なものではありません。
口臭の原因というだけではなく、歯周病や虫歯、他の疾患を起こすきっかけにもなりかねないので、症状を感じた場合はきっちりと対策をとりましょう。