副鼻腔炎(ふくびくうえん)と口臭の関係! 

鼻の病気が原因で口臭が発生する事がありますが、その1つに副鼻腔炎(ふくびくうえん)があります。

副鼻腔炎とはどの様なものか、そして口臭との関係についてみていきます。

副鼻腔炎ってどんな病気?

副鼻腔とは鼻腔の周りにある4種類、計8つの空洞です。

副鼻腔の役割というのは、実はまだあまり分かっていないのですが、頭の重さを軽くする為の空洞、というものや一酸化窒素(NO)を作り出す場所であるという研究もあるようです。

副鼻腔炎とはその副鼻腔の中に細菌が感染する事によって起こる炎症です。またアレルギーや遺伝も関わってくる事があります。

副鼻腔炎の症状としては次のようなものがあります。

  • 鼻水
  • 鼻づまり
  • (副鼻腔炎の場所によって)頭、目の奥、頬の痛み
  • 臭覚障害

副鼻腔炎によって発生する口臭の3つの原因とは?

副鼻腔炎が原因で発生する口臭には大きく分けて3つあります。

膿の臭い

副鼻腔で炎症が起こると、その場所にが溜まってきます。膿は細菌とそれを倒すための白血球、そしてそれらの死骸が混ざったものなので、当然臭いが出ますし、そこに溜まったまま排出されないと、どんどん腐敗が進み臭いもきつくなります。

この臭いは口臭として出てくるというよりも、鼻臭(鼻からの臭い)として出てきます。

口呼吸による臭い

副鼻腔炎の症状に「鼻づまり」があります。人間は通常鼻で呼吸しているのですが、鼻がつまると呼吸を助ける為に口での呼吸が増えてしまいます。

これを口呼吸というのですが、この口呼吸は口臭を発生させる大きな原因となるのです。

口の中には唾液があって口臭を抑えるのに、とても重要な働きをしています。

口の中の細菌は食べカスなどをエネルギーとして活動し、それらが分解、腐敗する事によって発生する揮発性(気体になりやすい)の物質が口臭の元となります。

唾液は細菌のエネルギーとなる食べカスを洗い流し(自浄作用)、また細菌を殺菌する事のできる酵素などを含んでいます(抗菌作用)。

つまり唾液がたっぷり分泌されているだけで、口の中から起こる口臭を抑える事ができるのです。

ところが口呼吸をしていると、分泌された唾液をすぐに渇かしてしまい、その事で細菌が活発に活動し、口臭を作り続けてしまうのです。
「口呼吸のせいで口臭が?改善のための9つの方法!」

後鼻漏による臭い

副鼻腔炎の症状には「鼻水」もありますが、大量に鼻水が出てそれが鼻の穴から出ずに喉の奥に流れてしまうのを後鼻漏(こうびろう)といいます。

そしてその鼻水は口の奥の方や、喉にへばりついてしまいます。

鼻水も膿と同じく細菌やそれを倒そうとする免疫物質、そしてそれらの残骸が含まれているので、へばりついたまま長い時間留まっていると、腐敗、発酵していき臭いが出てくることがあります。

副鼻腔炎による口臭の対策

副鼻腔炎とは病気なので、耳鼻咽喉科での治療が必要です。逆に原因がはっきりしていれば、完治すれば口臭も無くなります。

副鼻腔炎には急性のものと慢性のものがあります。(慢性副鼻腔炎の事を蓄膿症(ちくのうしょう)といいます)

急性副鼻腔炎は、そのほとんどが風邪などをひいて細菌が感染する事が原因となります。早めの対処で完治する事が大切です。

これを放っておくと慢性副鼻腔炎に移行してしまい、完治までの期間も、場合によっては数年となる事もあります。初期のうちに治しきる事が必要です。