口の臭いって気になりますよね?そんな口臭を抑えるために、まずやらないといけない基本の基本が歯磨き。
でも正しい方法で磨いている人は意外と少ないのです。
歯磨きをする目的や注意点、正しい歯磨きをするための方法などについてみていきます。
歯磨きをする理由とは!
食べた後には、とりあえずするもの、という漠然とした理由で歯磨きを行っている人もいるかもしれませんが、口臭対策という観点からいくと、歯磨きの目的は何でしょう?
歯磨きを行う1番の目的は、 歯垢(プラーク)を取り除く事です。
歯垢とは食べカスの塊ではなく、口の中にいる細菌の塊です。
細菌が作るガス
歯垢の中にいる細菌は、その中のたんぱく質をエネルギーとして増殖していきます。そして分解された、たんぱく質が腐敗する時に発生するガスが口臭の元となるのです。
歯周病を進行させる
歯垢は歯と歯ぐきの間に 溜まりやすいのですが、そのとき歯垢の中の細菌は毒素を出して、それが歯ぐきの中に入って炎症を起こし、出血や腫れなどの症状が表れます。
また歯ぐきを歯の表面からはがして歯周ポケットと呼ばれるすき間を作り、さらに歯垢が溜まって歯周病が進行します。
口臭の原因にもなる虫歯や歯周病、そして口の中で作られる口臭の臭いの元もすべて、これらの細菌が引き起こしています。つまり細菌の塊である歯垢を取り除かないと、口の中の環境は良くなりません。
これらの理由から、口臭対策における、歯磨きの一番の目的は歯垢の除去といえます。
歯垢はバイオフイルムと呼ばれる、細菌同士が絡み合ってネバネバした状態で、歯や歯茎にこびりついているので、うがいなどでは簡単にとれません。
その為に、歯ブラシを使った歯磨きで物理的にはがしとる必要があるのです。
正しい歯磨きの為の歯ブラシの選び方
まずは歯磨きをするために必要な歯ブラシについてです。
ブラシのベッド部分
植毛は3列、縦の長さは親指の幅くらいのコンパクトなものが、口の中で動かしやすく、奥歯なども磨きやすいです。
ブラシの毛先
フラットになっているもの。ギザギザにカットされたものは、磨く面に対して毛先が寝てしまいやすいので、歯垢を取り除きにくいです。
ブラシのかたさ
普通~やわらかめ。毛先が極端に細いものも、毛先が寝やすく歯垢を取り除きにくいです。通常はふつうでいいのですが、歯茎からの出血が多い場合などは、やわらかめでもかまいません。
ブラシの材質
透明なナイロンのものにしましょう。毛先が開いてくると、歯に真っ直ぐ当たらず、歯垢を取り除く割合も、6割程度と低くなります。目安として、1ヶ月に1度は取り替えましょう。
歯の磨き方で一番大事な事!
以前テレビのコーナーで数名の女性歯科医師さんが、「歯磨きをする時に気をつける事は?」という質問を受けていました。
「フッ素入りのものを選ぶ」、「歯磨き粉の付けすぎに注意」などの答えが上がった後、最後に一番経験の深そうな方が、
「強く磨かない」
という答えを出していました。
周りのお医者さんも納得したようにうなずいていました。
「力を入れて強く磨く」、これが間違った歯の磨き方として一番多いのではないでしょうか。
歯が固いと思ったら大間違い!
確かに体の中のパーツとして、歯は爪と並び、固い部類に入ります。
ですが、歯の表面はエナメル質という固い物質で出来ているのですが、以外と傷つきやすいのです。
特に食後すぐは、食べ物に含まれる酸によって通常よりも柔らかくなっているのです。
歯磨き粉の中には研磨剤も入っているので、強い力でゴシゴシ磨くのは最もやってはいけない間違った磨き方と言えるでしょう。
歯ぐきに対してダメなのは当然ですが(歯ぐきが削れていきます)、歯の表面に傷がつくと、汚れが付きやすく、そして歯垢も溜まりやすくなる為、口臭対策にとっても良くありません。
正しい歯磨きの方法は?
少し上の部分と内容がかぶりますが、私が歯医者さんに教えてもらった正しい歯磨きの方法をまとめておきます。
力を入れない
多くの人が勘違いをしている、最も大事な事です。
歯磨きは力を入れれば磨ける、というものではありません。力をいれても歯や歯茎を傷付けるだけです。
持ち方は握りしめるのではなく、ペンを持つようにしましょう。
水をつけない
歯磨き粉をつける前に歯ブラシを濡らすのはやめましょう。
泡立ちが良くなりすぎるので、磨けていないのに磨いた気になってしまいます。
磨く順番を決める
例えば、
- 右上奥の前面~左上奥の前面
↓ - 右上奥の裏側~左上奥の裏側
↓ - 右下奥の前面~左下奥の前面
↓ - 右下奥の裏側~左下奥の裏側
というように決めて、毎日同じ順番に磨きましょう。
右上をして、次に左下をやって、などと磨いていたら必ず磨き残しができます。
90度にあてる
歯の表面を磨く時は、歯の面に直角にあてて、力を入れてゴシゴシではなく、ユラユラという感じに動かしましょう。
1度に磨くのは歯1~2本分のつもりでその幅でブラシを1ヶ所につき20回程度動かします。
45度にあてる
歯と歯茎の間を磨く時は、歯周ポケットにはいる入るように、45度にあてて同じように力を入れすぎず、磨きましょう。
つまようじ法 |
歯周病の予防と治療の為の磨き方に、つまようじ法というものがあります。この磨き方は、実際に私が通っている歯医者さんで指導されたものです。
方法は、例えば上の前歯なら、歯ブラシを直角よりも少し下に向けて、ブラシの毛先をつまようじのように歯と歯のすき間から突き出すようにします。奥歯の場合は入りにくいかもしれませんが、ほぼ直角位の角度で毛先を歯の間に入れるようにします。 毛先をぐっと入れて、抜いてを10回程繰り返すもので、歯と歯の間の歯垢を押し出し、また歯茎のマッサージにもなるので、歯茎が鍛えられ歯周病による出血も抑えられます。(逆に最初はかなり出血する場合があります) ちゃんと毛先を押し込むことができずに行うと、歯茎を傷付けてしまうなど、正しい方法で行わないと逆に悪化してしまうので、必ず歯医者さんでの指導のもと行ってください。 |
歯磨きのタイミング
歯磨きの回数
1日にたくさんやれば良いというものではありません。逆に口臭を発生させてしまう原因になる場合があります。
それは過剰な歯磨きによって、口の中の唾液を失ってしまったり、分泌される量が減るからです。
唾液は口の中をきれいにし、また口臭を作り出す細菌に対して抗菌作用を持つ成分も含まれている、口臭対策には欠かせない重要なものなのです。
回数は1日に3回、もしくは2回でもかまわないといわれる場合もあります。ただし大切なのは回数よりも、1回の歯磨きの質です。
いい加減な歯磨きを3回行うくらいなら、正確なブラッシングで時間をかけて、1回行う方が効果があります。
歯磨きの時間帯
朝の歯磨きは、口臭予防という点からは、食後よりも 寝起きすぐが良いといわれます。
朝1番は口の中の細菌が最も多い時間帯で、口臭も最もきつくなります。
このタイミングで細菌をしっかり取り除く事が、1日の口臭対策にとって重要です。
夜はできるだけ寝る直前に磨いて、口の中の細菌を減らすことで、寝ている間に作られる口臭を減らす事ができます。
食後の歯磨き
どうしても食べた後にすぐ磨きたい、という場合でも、食後30分程度は空けましょう。
食べた直後は食べ物のために口の中が酸性になっています。その影響で歯の表面のエナメル質と呼ばれる部分が弱くなっているので、磨く事で歯にダメージが与えられるのです。
この件に関しては、歯医者さんでも意見が分かれているようですが。
歯磨きの目的は歯垢を取り除く事です。
その為には、 正しい歯磨き方法で、歯ブラシと、できればデンタルフロスや歯間ブラシなどを用いて、1日に最低1回、時間をかけて行いましょう。
「口臭対策に欠かせないデンタルフロス」
「口臭対策に歯間ブラシを使用しよう」