口臭に影響を与えるホルモンバランスの乱れとは?

photo credit: Viktorija via photopin (license)

女性にはホルモンバランスの乱れから起こる、女性特有の口臭があります。

女の人は臭いに敏感な人が多いので、口臭が発生する仕組みや対策をみていきましょう。

ホルモンバランスが乱れるとは、どういう事?

まずホルモンバランスの話をする前に、簡単に女性ホルモンの説明をします。

女性ホルモンとは女性が妊娠・出産ができるように、卵巣で作られて分泌される2種類のホルモンの事で、それぞれ

  • エストロゲン(卵胞ホルモン)
  • プロゲステロン(黄体ホルモン)

といいます。

エストロゲン

  • 生理の終了時から排卵日にかけて分泌増加
  • 女性らしい体を作る
  • 妊娠に備え子宮の内膜を厚くする
  • 分泌中は体や心が安定していて体調が良い

プロゲステロン

  • 排卵後から次の生理日にかけて分泌増加
  • 妊娠に備えるホルモン
  • 受精卵が着床しやすい状態を作る
  • 分泌中は頭痛や腰痛などの体調不良や精神的にも不安定になりやすい

このように生理の周期によって各々の女性ホルモンが分泌されていき、その分泌量の変化をホルモンバランスといいます。

つまりホルモンバランスが乱れるという事は、分泌されるべきホルモンの量が多すぎたり、少なすぎる事なのです。

ホルモンバランスと口臭の関係は?

口の渇き

ホルモンバランスの乱れによりエストロゲンの分泌が減少すると、口の渇きが起こります。

口の中が渇くという事は、唾液が不足している状態であり、細菌が活発に増殖してしまいます。
(唾液には口の中の細菌の活動を抑える働きがあります。)

そして食べカスなどを分解し腐敗させることによって、口臭となるガスを作り出してしまうのです。

特に月経期に最も乱れやすくなるので、注意が必要です。

歯肉炎による臭い

歯周病菌は、女性ホルモン(エストロゲン)の増加によって増殖がうながされる事が分かっています。

特に妊娠中には、それまで何ともなかったのに歯肉炎にかかる、という事もあります。
(妊娠性歯肉炎)

歯肉炎などの歯周病は当然口臭の原因となります。きっちりとプラークコントロール(歯垢の除去)を行っていれば防げるので、特に妊娠中のブラッシングは丁寧に行いましょう。

更年期の口臭

更年期とは、女性の閉経をはさんだ前後10年をいいますが、この頃になると女性ホルモンの分泌が急激に減少し、バランスも大きく乱れます。

これにともない口が渇きやすくなってしまい、口臭が発生しやすくなってしまうのです。

またそれとは別に女性ホルモンの減少による更年期障害の影響により、体の機能の不調から口臭が発生する可能性もあります。(胃腸の不調など)

ホルモンバランスの乱れによる口臭の対策は?

ホルモンバランスの乱れによる口臭は、基本的に口の中が渇くことにより細菌が活発にガスを作り出してしまう事(生理的口臭)によります。

その為一番効果があるのは、口の中を潤わせる、つまり新鮮な唾液をたくさん分泌させる事です。唾液の分泌には、水分をとる、口の運動をする、など色々と対策があります。
「口臭対策の為の唾液を出す運動」

そして普段の生活の中で、ホルモンバランスを整えていく事も重要です。運動をする、しっかり睡眠をとる、というのは当たり前ですが、その他には次のような事が良いとされています。

  • 大豆製品を食べる(大豆に含まれるイソフラボンが効果あり)
  • ビタミンE、B6の摂取
  • 海藻類を食べる
  • 姿勢を正す
  • 腹式呼吸
  • タバコ・アルコールを減らす
  • ストレス解消