胃下垂と口臭の関係

口臭のきつい人というと、油っこい物ばかり食べていて、ちょっと太った人をイメージするかもしれませんが、痩せた人でもきつい口臭の人はいます。

胃下垂の人は痩せた人が多いですが、その為に口臭が発生する場合があります。

口臭を起こすかもしれない胃下垂とは?

胃下垂とは胃アトニーともいいますが、胃が本来あるべき場所よりも下に下がっている状態の事をいいます。

よく勘違いされますが、胃全体の場所が下に来るのではなく、胃の上部は通常の位置にあって下部が垂れ下がった(漢字のままです)状態です。

胃下垂になる原因主に3つあります。

内臓の筋力の不足

胃などの内臓は、周りの筋肉に支えられて定位置に収まっています。その筋肉が衰えたり筋力自体が弱いと、支えきれなくなり、下がってきてしまいます。

筋肉の少ないやせ形の人に胃下垂が多いのは、この為とも言われます。

暴飲暴食

夜遅くに大量の食事をする等の暴飲暴食により、消化が効率よく行われず、胃に食べ物が入ったままの状態が長く続くことで、胃が下がってきます。

ストレス

強いストレスを感じている状態は、自律神経のバランスを乱します。

胃腸等の内臓は自律神経の副交感神経によって働いているのですが、ストレスを感じているときは交感神経の働きが強くなります。その為バランスが悪くなり胃の消化活動が低下します。

その結果食べた物が胃に残りやすくなり(消化不良)重みで胃が下がってきます。

胃下垂の症状

胃下垂になると次のような症状がみられます。

  • 食欲の低下
  • 下腹部が膨れる
  • 胃もたれ
  • 胃のむかつき
  • 便秘
  • 頭痛
  • めまい
  • 下痢

胃下垂になると、食欲自体が低下しますし、消化不良により栄養を吸収しづらくなります。

その為一般によく言われる、胃下垂の人は太りにくい、という事に繋がりますが、体にとっては決していい状態ではありません。

なぜ胃下垂になると口臭が起こる?

胃下垂による口臭の1番の原因は、胃もたれなどによる消化不良です。

胃の働きの低下により、食べた物が消化されにくい状態になり、食べ物が胃に長い時間留まる事になり、胃の中で腐敗していきます。その事により臭いの成分が発生します。

その臭いが逆流して口から出てくる事はゲップでもしない限りありません。

胃と食道の間には噴門という蓋の役割をする場所があり、その部分の筋肉で逆流を押さえているからです。
胃、噴門の画像

ところが臭いの成分は血液に溶けていき、体の中を回ります。それらは肺にも達して呼吸と一緒に口臭として出てきます。臭いとしては卵が腐った様な硫黄系のものとなります。

胃下垂からくる口臭の対策

原因が胃にあるので、当然歯磨きをいくらしても効果はありません。お医者さんでの診療を受けるのが最優先です。

自分で普段気を付けた方が良い点としては、次のような事があります。

規則正しい食事

まず暴飲暴食を止めて、食事を1度に多く食べるのではなく、こまめに摂るようにしましょう。

胃の栄養を吸収する力が落ちているので、少量ずつをゆっくり時間をかけて食べる事を心掛けて下さい。

またゆったり食事を摂る事は、ストレスを解消する上でも効果的です。食事の時間を楽しむようにしましょう。

お腹の筋肉を付ける

元々痩せている人、あと加齢によっても筋肉量は減ってきます。激しい筋トレを行わなくても、適度な運動と、腹筋周りのトレーニングを無理の無い程度行うことで、改善が見込まれます。

あと姿勢が悪い(猫背)場合も胃が下がりやすくなります。普段から背筋を伸ばすことを意識しましょう。

胃下垂の人すべてが、口臭を発している訳ではありません。
(ちなみに日本人の30%は胃下垂だと言われています。)

ただ、口の中以外の口臭を感じた時には、この様な可能性も考えられる、という事です。