歯を失って入れ歯にすると、それが原因で口臭が発生してきた、なんてことはありませんか?
入れ歯によって口臭が発生する原因と、対策についてみていきます。
入れ歯が臭う理由
入れ歯は正式な名称を床義歯(しょうぎし)といい、大きく分けて2つの種類があります。
1つは1本でも歯が残っている際に装着する部分床義歯(部分入れ歯)。
もう1つは歯が1本も残っていない場合に装着する総義歯(総入れ歯)です。
入れ歯の構造は、
- 歯の部分になる人工の歯
- 歯茎や上のアゴの部分に接するプラスチック製や金属製の入れ歯の土台(義歯床)
- 部分入れ歯の場合に隣の歯に引っかける為のバネ(クラスプ)
の3つから出来ています。
では入れ歯による臭いの原因にはどんなものがあるのでしょう。
義歯垢(ぎしこう)
食べカスなどをエサに細菌が活動して増殖し、その際に発生するガスが口臭となるのですが、そのような細菌の塊を歯垢(プラーク)といいます。
(歯に付いている汚れは、食べカスではなくそこに集まっている細菌の塊です。)
この歯垢は普通の歯だけでなく義歯にも付き、それを義歯垢(ぎしこう)といいます。
その中では細菌がタンパク質などを分解し、それらが腐敗してガスを出し続けていてそれが口臭の原因となります。
また総入れ歯の人は歯が無いので、自分の歯茎のケアを怠りがちですが、歯茎にも歯垢は溜まり、歯周病が広がってしまうので、注意が必要です。
部分入れ歯はさらに注意が必要!!
部分入れ歯は造りが細かく汚れがとても溜まりやすい構造をしています。
特に隣の歯に引っかけるバネであるクラスプの部分は、クラスプ自体の汚れもありますし、それ以上に引っかけている歯に注意が必要です。
そこをきっかけに歯垢が溜まり、歯周病に進行してしまう事が多いからです。
歯周病になると、当然口臭も発生してきます。
義歯床の臭い
入れ歯の土台となる義歯床は、口の中の粘膜と馴染むように、プラスチックで出来ているものがあります。
素材の吸収性が良く痛みや違和感を感じなくさせているのですが、その吸収性の良さから、細菌も浸入してしまいます。
その状態で手入れをしていないと、唾液中にある細胞が剥離した物質などをエネルギーとして活動し、口臭となるガスを作り出してしまうのです。
入れ歯による口臭の対策
これは入れ歯の手入れをきっちりやる事が一番の対策です。
ダメなのは入れ歯の付けっぱなし。
口の中は細菌が一杯で、いくらきれいにしても、8時間後には細菌が飽和状態になっているといわれます。
そんな中に入れ歯を入れたままにしておく事は、口臭対策として最悪です。
ただし噛み合わせの確保やアゴの形を保つ為に付けたまま寝る事を薦めている場合もあります。
この点に関しては歯医者さんでも意見が分かれる所なのですが、付けて寝る場合には必ずキチンとした手入れをしてからにしましょう。
入れ歯の手入れの注意点
これは普通の歯にも当てはまるのですが、とにかく優しく磨きましょう。
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部分入れ歯は細かい部分が多いので、小さめの歯ブラシで丁寧に磨きましょう。