重曹うがいが口臭対策に効果的な理由はコレ!

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重曹というものをご存知でしょうか?正式名称は「炭酸水素ナトリウム」という物質で、見た目は白い粉状です。

この重曹を使った重曹うがいが口臭対策に効くという事なのですが、どういう事でしょう。

重曹の働きがすごい!

まず口臭対策への効果の前に、重曹がどの様なものかを簡単にまとめておきます。

料理や掃除にも使えるので、名前は知っている、使ったことがあるという人も多いと思いますが、この重曹、色々な力を持っているのです。

重曹の性質

  • 化学式 : NaHCO₃
  • pH8.2の弱アルカリ性
  • 人体には無害
  • 粒子が細かい
  • 加熱すると分解され、水と炭酸ガスを発生
  • 油を乳化する(水と混ざり合わす)
  • タンパク質を分解

などがあるのですが、これらの性質を利用して次のようなものに使われます。

油汚れの掃除

重曹は油を乳化させるので、キッチンの油汚れを溶かして落とすことができます。

ただし油汚れ専用の洗剤よりは、洗浄力が落ちます。

また弱アルカリ性という性質を利用しているので、酸性の汚れに対して効果があります。

おなべのコゲを落とす

重曹を水に入れて熱すると炭酸ナトリウムと炭酸ガス(二酸化炭素)が発生します。

このとき炭酸ガスの力でコゲを浮かし、炭酸ナトリウムがその浮いたすき間に入り込んでコゲを剥がれ落とします。

脱臭効果

弱アルカリ性の性質が作用して、酸性物質の臭いを中和します。その結果、臭いの成分が他の物質に変えて脱臭します。

ただし弱アルカリ性である性質が作用しているので、アルカリ性物質には効果が無く、アンモニア臭にも効きません。

ふくらし粉

熱すると炭酸ガスを発生する性質を利用しホットケーキやパンなどのふくらし粉(ベーキングパウダー)として使えます。
(食用の重曹を使用する事)

研磨剤

粒子が小さく水に溶けにくいという性質から、クレンザーとして使えます。

コップの茶渋やお風呂の湯垢などに効果的です。

入浴剤

お風呂に入れると、角質や皮脂の汚れを落とす効果が見られます。お肌もしっとり、なめらかになると言われています。

などなど、色々な効果があります。

そして口臭に対しても、威力を発揮してくれるのです。

重曹が口臭対策に良いとされる理由!

ではこの重曹が口臭にどの様に働き掛けるのでしょうか?

弱アルカリ性

口の中は食事の後には酸性に傾きます。

この酸性の状態というのは、細菌が活発に活動して増殖し、口臭を作り出すのに適した状態。

ところが弱アルカリ性である重曹を混ぜる事で口の中が中和され、細菌の活動を抑える事ができるのです。

また酸性の状態は、口臭の原因となる虫歯も進行しやすい状態なのですが、口の中を弱アルカリ性の重曹で中和する事で、歯の表面が溶けるのを防ぎ、再石灰化を促します。

タンパク質を分解

重曹には強くはないんですが、タンパク質を分解する働きがあります。

口臭は口の中の細菌がタンパク質を腐敗させて発生する臭いなので、重曹によってタンパク質分解し汚れを取り除くことは、口臭をおさえるのに役立つといえます。

脱臭効果

口臭は、口の中にある食べカスなどを細菌が分解して腐敗する時に発生するガス。

まさにその酸性物質であるガスを弱アルカリ性の重曹が中和して消してくれるということ。


この様に重曹の作用が口臭に対して色々な角度から対処してくれるのです。

ただし、重曹というのは作用がそれほど強いものではなく、重曹でうがいをすることで完全に口の中の臭いの原因を取り除く、というわけではありません。

重曹をどのように使う?

重曹を使うなら、基本はうがいです。

重曹うがい

水に重曹をいれてうがいをします。

分量は水100mlに対して、重曹を小さじ半分程度いれ、口の中の刺激が気になる場合には重曹の量を調節して下さい。

あとは普通にうがいをするだけなのですが、口の中で最も口臭が作られる場所は、舌の表面にある白い汚れの舌苔(ぜったい)です。

そこを意識してうがいをすると効果的です。

重曹は価格が安いし、作りおきしておいても冷蔵庫である程度保存が効くので、とても実行しやすい口臭対策です。

安全性に関しては、ふくらし粉など食用にも利用されているので、万が一飲み込んでしまっても基本的には大丈夫。

ただし純度の違いから食用、薬用、工業用とあるのですが、口の中に入れる訳ですから当然工業用は避けてください

体に害はなく、

  • 重曹水を飲んでダイエットをする
  • 胃酸過多を解消する

などの使用方法もあるようです。

ですが重曹はナトリウムを含み(炭酸水素ナトリウム)、過剰の摂取は塩分を大量に摂取している事と同じです。

高血圧や腎臓病等の人は特に注意が必要です。

注意!重曹歯磨き

直接歯ブラシに振り掛けてブラッシングをするという方法を見かけますが、重曹は研磨剤としての効果がきついので、歯や歯ぐきを傷つけてしまいます。

歯ぐきは当然ですが、歯も(特に食後すぐの時間帯)表面のエナメル質はかたそうに見えてキズ付きやすいのです。

うがいだけでも効果が見られますので、歯磨きに直接重曹を使用するのは避ける方が無難です。


基本的には体に優しく価格も安価な為、口臭対策にとって重曹うがいは毎日の習慣として手軽に取り組める方法です。

ただ作用は弱いと言われるので、うがいをするならマウスウォッシュなどの方が効果を期待できるかも。
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