目のかゆみや鼻づまりなど、大変つらい症状を引き起こす花粉症ですが、花粉症のために口臭が起こることがあります。
花粉症と口臭にはどのような関係が在るのでしょう。
花粉症はなぜ起こる?
日本人の4人に1人は花粉症といわれています。花粉症は季節性アレルギー鼻炎とも呼ばれ、植物の花粉が原因となる病気です。アレルギーの原因となる植物には、次のようなものがあります。
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これらの花粉に対してアレルギー反応を示すことによって、鼻水、鼻づまり、くしゃみ、目のかゆみといった症状を引き起こします。
花粉症と口臭の関係は?
口臭は、花粉によるアレルギー反応によって起こる訳ではありません。花粉症による間接的な原因によって、口臭が発生する事があるのです。
鼻づまり
花粉症の症状の1つに鼻づまりがありますが、鼻がつまると息がしにくくなるために、口でも呼吸を助けるようになります。
これを口呼吸といいますが、口で息をしていると、とても口の中が渇きやすくなります。それは口の中の唾液が乾燥してしまうからです。
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そして口の中から唾液が無くなると、口臭が起こりやすくなるのです。
口臭と唾液の関係 |
口臭は口の中の細菌が、エネルギーとするために食べカスなどを分解し、それらが腐敗するときに発生するガスです。
唾液は、細菌のエサとなる食べカスなどを洗い流し、作り出された臭いのガスを溶かして閉じ込める働きがあります。 また唾液には、細菌を殺菌する成分も含まれていて、口臭対策にとって、とても重要なものです。 |
鼻づまりになることで、口臭を抑えるのには必要な唾液を、口呼吸によって渇かしてしまい、口臭が発生しやすくなるのです。
薬
花粉症になると、あるいは、なる前に、薬を飲む人は多いと思います。
花粉症の薬には、抗ヒスタミン薬という薬を処方される事が多いのですが、この薬には、口渇(こうかつ)と呼ばれる副作用があります。
漢字の通り、この薬を飲むと、口が渇きやすくなるのです。その事で、口呼吸と同様に唾液が不足し、細菌の活動が活発になって、口臭が発生しやすくなります。
風邪の時に口臭が発生しやすいのも、同じ理由です。
マスクをする
花粉症が発症する時期になると、マスクをする人も多いと思います。
口臭がある人にとって、マスクをする事は、他の人に臭われない様にする手段となりますが、注意が必要なのは、マスクをはずす時です。
花粉症であれば口呼吸などによって、臭いの成分がすでに作られています。
それも普通にしていれば、ある程度薄まるのですが、マスクをしていると、外に出ていけずに口の中に溜まった状態になります。その為、はずした時には、余計に強い臭いが出てくるのです。
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花粉症による口臭の対策は?
花粉症になることで発生する口臭は、口呼吸や薬により、唾液の分泌が減ったり、口が渇くことが原因となります。その為、対策としては口の中を潤す事が必要となります。
水分をとる
唾液の材料は水です。水分をこまめにとることで、唾液の分泌を促進できます。水が最適で、コーヒーや緑茶は、尿の量を増やしてしまい、逆効果です。
ガムをかむ
ガムをかむことは、その味によって唾液が分泌される事に加え、舌やあごを動かす事によっても唾液が出てきます。
食事の時によくかむことも、唾液の量を増やすのに効果があります。
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舌下腺を押す
下あごの舌の付け根辺りに、舌下腺(ぜっかせん)と呼ばれる、唾液を分泌する場所があります。そこを舌の先で刺激してすると、やや粘りけのある唾液になりますが、でてきます。
他には、大きなものでいうと、耳の下の、耳下腺(じかせん)とあごの下の、顎下腺(がっかせん)があります。
さらさらした唾液は、耳下腺から多く分泌されるので、その部分(耳たぶの少し前の、上の奥歯が当たる辺り)を優しくマッサージするのも効果があります。
口や舌を動かす
口やあご、舌を動かして刺激を与えると、唾液の分泌が促されます。唾液を出す運動の参考にどうぞ。
「口臭対策の為の、唾液をだす運動」
花粉症が治れば1番良いのですが、そうもいかないので、花粉症によって起こる口臭には、とにかく唾液を出す事を心がけましょう。