肝臓の不調や病気によって、口臭が起こる場合があります。
病気としては肝炎、肝硬変等など。
肝臓は「沈黙の臓器」と言われ、文句も言わずせっせと働いてくれています。なので、少々の障害が出来ても症状として現れず、気付いた時には病状が進んでいるという事が多くあります。
肝臓が口臭の原因となる事があるのですが、どのように発生するのでしょうか?
肝臓から起こる口臭は、かなりきついものとなります。
いろいろな表現があるのですが、まとめてみると、ネズミ臭、カビ臭、味噌が腐った臭い、ニンニク臭、ドブの臭い、アンモニア臭など、とにかくきつそうな例えばかり。
なぜ肝臓の不調が原因で口臭が起こる?
その様なきつい口臭が発生する流れを知るには、まず肝臓の働きを知ることが必要です。
肝臓には大きく分けて、代謝、解毒、胆汁を作るという3つの働きがあります。
代謝
消化器で分解、吸収した栄養分はそのまま使えないので、体が必要とするものに変化させ体内に送り出す機能。
また体内で足りているときは、肝臓に貯めておくことも出来ます。
解毒
体内に取り入れた食べ物などの中から、有害な物質を分解し無毒化させて、尿などから排出する機能。
ちなみにアルコールは、アセトアルデヒドという物質に分解し、さらにそこから無害な水と炭酸ガスに分解するのですが、肝機能を越えるアルコールの摂取で有害なアセトアルデヒドが分解できない状態になります。
これが二日酔いの状態です。
胆汁を作る
胆汁とは、胃に入ってきた食べ物を消化する為に肝臓で作られる消化液で、十二指腸で分泌されます。
肝臓にはこれらの働きがありますが、病気等で機能が衰えると、その働きも弱くなります。
この中で口臭を発生させてしまう原因は2つあります。
1つ目は、解毒作用の低下です。
肝機能の衰えで体内に入った有害な物質を分解しきれないと、それらの悪臭成分が血液に吸収され、肺にまわり呼吸として外へ出て口臭となります。
2つ目は、胆汁を十分作れなくなる事です。
そうなると消化液の不足から、胃や十二指腸で消化不良が起こします。
消化不良で残った食べ物の老廃物は、臭いの成分を発生させ同じように肺に回り口臭となります。
沈黙の臓器 対策は生活習慣の改善から
口臭が原因になるなどして肝臓の病気が分かった場合、口臭の改善も大切なのですが、当然、病気の治療が最優先となります。
そして大事なのは、 慢性肝炎などになる前に、肝臓をいたわってあげる事です。
病気にまで発展してしまうと、基本的には治るまで口臭が続きます。
肝機能の低下の原因としては、
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など、食生活や生活習慣の乱れがあげられます。
大切なのは、文句を言わずに頑張ってくれている肝臓を休ませて上げる事。
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など。
また肝臓に良いとされるものを、食事に取り入れる事も有効です。
代表的なものでは、
シジミ、ウコン、ゴマ、大豆、カキ、レバーなどがあり、これらには代謝を高めたり、解毒作用を活性化させる物質が含まれています。
ただし近年の研究では、 過剰な鉄分の摂取が肝臓に負担をかけてしまうとも言われています。
これらの食材には鉄分を含むものも多いので、摂り過ぎには注意が必要です。