口の中で金属の臭いがする、と感じたことはありませんか?
また他人の口臭に鉄の臭いが混ざっているように感じる事もあります。
いったいなぜこの様な臭いが起こるのでしょう?
金属臭のその正体は?
金属の臭いがする、と感じられる原因に、口の中の出血があります。
鉄っぽい味を味覚で感じる事で、余計にその臭いがするという感覚になります。
血液の中の赤血球にはヘモグロビンというタンパク質があります。ヘモグロビンは鉄が結合している為、酸素と結合する事ができ、肺からの各細胞へ酸素を運ぶ働きをします。
この鉄が結合しているヘモグロビンが血液中に存在している為、血の味や臭いが金属っぽく感じる原因となるのです。
口の中が出血する原因
歯周病
歯肉炎や歯周炎を含めた歯周病は、口の中での出血においてその90%の原因となる病気です。
歯周病菌は口の中で活動し歯垢(プラーク)を形成していきます。(歯垢は食べカスだけではなく、細菌の塊です。)
そして毒素を出しながら、歯と歯茎の間に歯周ポケットというすき間を作りながら、奥へ奥へと進行していきます。その時に歯茎に炎症を起こす事により出血します。
強すぎる歯磨き
特に男性に多いのですが、歯磨きをする時に必要以上に強い力でゴシゴシ磨く人がいます。
そしてその時の歯ブラシの当たり方が悪いと、歯茎を痛めてしまい出血します。
歯の磨き方はクセが付いてしまうので、毎回同じように同じ所を強く磨いてしまい、歯茎の表面が刺激に弱くなってしまうのです。
歯を強く磨くという事には、歯茎以外にも問題があります。歯の表面は固くて丈夫だと考えられがちですが、特に食事の直後は表面が軟らかくなっていて傷付きやすいのです。
そこへゴシゴシ磨くと細かな傷が入って汚れが溜まりやすくなり、歯垢も付着しやすくなってしまいます。
歯磨きはゴシゴシではなく、歯と歯、歯と歯茎の間に歯ブラシを当てて、ユラユラと動かすように磨きましょう。
その他にも虫歯が酷くなった時や、歯と関係のない、風邪やストレス、体調不良、そして肝硬変や白血病などの重い病気の症状としても歯茎の出血が見られる事があるようです。
詰め物などの金属の臭い
可能性としては少ないかもしれませんが、詰め物やブリッジなどの金属の劣化により、サビが発生してしまう事があります。
この際外に対して金属臭が強く臭う、という事は考えにくいですが、舌の味覚で鉄臭さを感じて臭いのように感じる事があるでしょう。
この場合、強い口臭が発生していないからと安心してはいけません。
金属部分に劣化が起こっているという事は、義歯に歯垢などがたまって手入れが上手くいっていない状態といえます。
その部分に溜まった歯垢から別の口臭となるガスが発生している可能性は高くなります。
また歯と義歯との間にすき間が出来ていると、細菌が進入し虫歯や歯周病が進行している可能性もあります。
もしこの様な金属の劣化を感じる事があった場合には、早急に歯医者さんでチェックしてもらいましょう。