子供の口が臭う、と気にされている方は多いと思います。子供にも口臭はありますが、その原因の割合は、大人のそれとは少し違ってきます。
どのような原因があって、対策はどうしたら良いのでしょうか?
子供の口臭、その前に。
まず大切な事を伝えます。
子供に限らず、大人にも当てはまるのですが、 口臭が全くしない、臭いの全く無い人はいません。
自分の子供だから心配するのは当然ですが、実際に人が嗅いで気になる程度のものなのかの判断が必要です。親は子供との距離も近いので、他人よりも感じやすいものです。
おじいちゃんやおばあちゃん、自分の友達などにお願いして、正直な感想を聞いてみましょう。その際には 子供に気付かれないように注意を払ってください。
そして、やはり口臭があるとなった時でも、子供への指摘には十分注意してください。大人でも口臭を指摘されると、かなり落ち込みます。子供の今後の人格形成に支障が生じる事も考えられます。
とにかく慎重に接して下さい。
子供の口臭の原因
それではいくつかの原因を挙げていきます。
歯磨きが出来ていない
まず挙げられるのが、正しい歯磨きが出来ていない、という事です。口の中に汚れが残ったままで、清潔に保てていなければ、当然口臭は発生します。
子供の口の中も無菌状態ではなく、細菌が活動する事で口臭のガスが作られます。
細菌が活動するにはエネルギーが必要ですが、食べカスなどを磨けていなければ、細菌のエネルギーとなり、分解、腐敗する事で口臭が発生します。
また増殖した細菌の塊である歯垢(プラーク)を歯磨きで除去できなければ、大人のように歯肉炎を起こして、きつい臭いを発する事もあります。
さらに歯磨きが出来ていなくて、虫歯が進行している場合にも、口臭はします。
正しいブラッシング
これらの理由から、歯磨きをする事は口臭対策の基本中の基本です。
ところが歯磨きをしているのに、口臭がする、虫歯が出来るという事があります。
それはなぜかというと、正しいブラッシングが出来ていないからです。
大抵の場合、親が磨き方を教える事が多いと思いますが、その磨き方自体が正しくない場合が多いのです。そもそも大人でも、きちんと歯磨きが出来ていない人は多いと言われています。
さらに歯の形、大きさ、生える角度も人によって違います。それらをきっちり理解し把握するには、プロの指導を受けないと不可能です。つまり歯医者さんで教えてもらう事が必要です。
子供の年齢によっては、まだ1人で無理な場合もあるので、仕上げ磨きの方法も親が教えてもらう必要があるでしょう。
子供が1人で出来る年齢であれば、まず1日に1回は時間をかけて磨く癖をつけさせましょう。いい加減な歯磨きを1日に何回もするより、きっちり1回行った方がまだ効果があります。
また磨く時には力を入れすぎないように注意して下さい。
歯磨きの擬音がゴシゴシというのも悪いと思うのですが、それこそ歯や歯ぐきをゴシゴシ力いっぱい磨くと、歯ぐきはもちろん歯にも傷が付きます。
歯に傷がつくと表面に凹凸ができて、余計に汚れや歯垢が溜まりやすくなります。力を入れても汚れの落ちは変わらないどころか、悪くなります。(表面しか磨けない為)
優しく、歯と歯、歯ぐきの間で歯ブラシを揺らすように磨きましょう。
「口臭対策の基本、歯磨きの方法!」
口呼吸
普通、呼吸は口を閉じて鼻でします。ところが色々な原因で口で呼吸する事がクセになってしまう場合があります。
そして口呼吸は口臭が起こる原因となるのですが、 子供に起こる口臭の最大の原因になるとも言われています。
まず、なぜ口で呼吸をすると口臭が発生するのかですが、口呼吸によって口の中が渇いてしまうからです。試しに口を開けて、30秒~1分程呼吸をしてみて下さい。
すぐに口の渇きを感じると思います。
これは口の中の唾液が無くなって起こるのです。
唾液は口臭対策に無くてはならない存在で、口臭を作り出す細菌のエネルギーとなる食べカスを洗い流し、また細菌を殺菌する作用もあります。そして何より、口の中で発生した口臭の成分を溶かしているのです。
それが口呼吸によって渇いてしまう訳ですから、当然気体となって出てきてしまいます。
ではなぜ口呼吸をするようになるのでしょう?その原因は主に2つあります。
子供が口呼吸になる原因
- 口を閉じる筋肉が発達していない
口を閉じるにも筋力が必要で、口の周りに口輪筋という筋肉があります。一般的にこの筋肉は、3歳位までに出来上がるのですが、この筋肉が鍛えられていない子供が多いといわれます。一説には、日本ではおしゃぶりは、歯並びや噛み合わせが悪くなる、という理由から小さいうちに止めさせる事が多く、それが筋力が低い原因とも言われています。
その件に関しては、乳歯が生えそろう、2歳半までなら、それほどおしゃぶりの影響は受けないのでは、というお医者さんの意見もあります。
- 鼻の病気による
そのままですが、ズバリ鼻がつまっているから、口で呼吸するようになる、という事です。急性鼻炎やアレルギー性鼻炎、副鼻腔炎(ちくのう症)などの発症で口で呼吸するようになり、また病気の慢性化に伴いさらに口呼吸がクセになってしまうのです。
口呼吸を解消する方法には、体操やグッズを使うなど色々とあります。
「口臭対策の為に口呼吸を改善!」
風邪や体調不良
風邪をひいている時や、体調がすぐれない時にも口臭が発生しやすくなります。これは大人にも共通していえる事です。
まず薬の影響が考えられます。風邪薬などには、副作用として「口渇(こうかつ)」という、口の中を渇かしてしまう、というものがあります。
その為ドライマウスと同じ状態になり、唾液が減ってしまい口臭が発生するのです。
また風邪の症状にも鼻づまりがあり、口呼吸になる事が考えられます。
そして体調不良などが起こると、舌苔(ぜったい)が増えるといわれています。
舌苔とは舌の上にある白っぽい苔状の汚れで、大人では口の中の口臭の60%がそこで作られるといわれます。舌は胃腸とつながった消化器官であり、胃腸の不調などが舌の状態に現れることがあります。
ただし舌苔が出来たからと言って、ブラシなどでこするのは絶対に止めてください。
舌の粘膜はとても繊細で傷付きやすいのです。味を感じる器官もあり、味覚障害を起こすことにもつながります。
「舌苔に、どうしても舌ブラシを使うなら!」
この様な口臭の対策としては、風邪や体調不良の原因を取り除くことで対処しましょう。体調が戻れば無くなる口臭です。
どのような対策をするにしても、子供に対しての配慮だけは忘れない様にしましょう。
「口臭を抑える為に…」などの発言は本当に傷付ける事があります。
平気そうに見えても、ショックを受けているという事もあります。お子さんには、くれぐれも慎重に接してあげて下さい。