飲み物の中には口臭対策に効果があると言われる飲み物がいくつかあるのですが、その1つにココアがあります。
ココアは口臭に対してどのように働きかけるのでしょう?
口臭に効くココアの成分とは?
ココアが口臭に効果があるのは、ポリフェノールという成分が含まれているからです。
ポリフェノール
ポリフェノールとは植物に含まれる渋みなどの成分をまとめた呼び方で、自然界には約5000種類以上存在しています。ココアに含まれるポリフェノールはカカオ・ポリフェノールといいます。
ポリフェノールが口臭にどのように働く?
ココアに含まれるカカオ・ポリフェノールが効果を発揮する口臭は、歯周病が原因となる口臭に対してです。
活性酸素を抑える
歯周病になると、歯周病菌が歯垢(細菌の塊)を作って、毒素を出し細胞に炎症を起こします。
この時細胞では自分を守ろうとして活性酸素という物質を作り出し対抗しようとします。
ところが炎症が続く事で、活性酸素を作りすぎてしまい、逆に細胞自身を酸化して傷付けてしまい、歯周病をさらに進行させます。
つまりこの活性酸素による酸化を抑える事が歯周病予防に繋がるのですが、ここでカカオ・ポリフェノールの出番です。
このココアのポリフェノールにはとても強い抗酸化作用(活性酸素の発生や酸化する力を抑える作用)があります。
その為ココアを飲んでポリフェノールを摂取する事で、歯周病の進行を抑える事に繋がり、口臭の抑制にも繋がるのです。
歯周病菌に働きかける
カカオ・ポリフェノールには、もう1つ歯周病を抑える上での大きな効果があります。
歯周病はその細菌が増殖し、歯茎と歯の間にすき間(歯周ポケット)を作ってさらに奥へと進行していき歯を支えている骨まで溶かしてしまうような病気です。
その過程で口臭の元となるガスを発生させ、また膿や出血などと混ざってきつい臭いを発生させます。つまり歯周病やそれに伴う口臭の対策をするには、歯周病を引き起こす細菌に働きかけ、数を減らす事が必要となります。
歯周病菌には主に、ジンジバリス菌やフゾバクテリウム菌などの細菌がいるのですが、なんとココアに含まれるポリフェノールが、このジンジバリス菌などに対して抗菌作用を示す、という研究の報告があるのです。
飲むのに近い濃さのココアを細菌に添加すると、ジンジバリス菌では1時間後に、フゾバクテリウム菌も3時間後には検出ができない数になっていたとの事です。
もちろんココアを1時間口の中にいれ続けるのは不可能ですが、少なくともココアを飲むことで口の中の歯周病菌を減らす事はできそうです。
ココアには、カフェインの量も少量なので、口臭対策の飲み物としては最適と言えるかもしれません。
(カフェインを含む飲み物には利尿作用があり、体の水分が不足しがちになります。それでは口臭対策に必要な唾液の分泌が減少し、かえって口臭を増やす事につながります。)
ココアでの口臭対策は、歯周病以外が原因の口臭には効果は望めませんが、日本人の30歳以上の人の80%は歯周病に感染しているとも言われ、口臭が発生する原因としては大きな部分を占めます。
口の臭いが気になる人は、試してみる価値があるのではないでしょうか。もちろん歯周病の治療はちゃんと歯医者さんで行いましょう。