更年期になると起こる口臭とは?

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今まで口臭に悩んだことはなかったのに、更年期になってから口の臭いが気になってきたという女性は多いと思います。

なぜ更年期になると、口臭が発生してくるのでしょう?

更年期とはどんな時期?

女性は40代になると、月経(生理)の周期がが不順になる人が多く、日本人の平均では50.5歳で閉経を迎えます。

この閉経を挟んだ10年間、45歳から55歳の間を、一般的に更年期といいます。

もちろん人によって個人差があり、実際に更年期の症状があらわれる時期は異なります。

更年期の症状としては次のようなものがあります。

  • 肩こり
  • 腰痛
  • 体のほてり
  • 多汗
  • 足腰の冷え
  • めまい
  • 息切れ
  • 動悸(どうき)
  • イライラする
  • 不安になる
  • 憂鬱になる
    など

更年期に口臭が発生する原因は?

女性ホルモンの減少

女性は閉経が近づいてくると卵巣の働きが低下してきます。

その事によってホルモンバランスが乱れ、女性ホルモンの分泌が閉経前後に、急激に減少します。

そして女性ホルモンの減少は唾液の分泌も減らしてしまうといわれています。

唾液と口臭の関係とは?
口の中では多くの細菌が、食べカスなどをエサにして増殖しています。そして食べカスを分解し、それらが腐敗する時に作られるガスが口臭の元となります。

唾液には細菌のエサとなる食べカスを洗い流すだけでなく、細菌に対しての抗菌作用を持つ物質が含まれていて、さらに作られた口臭のガスを溶かして閉じ込める役割もあるのです。

つまり唾液が減ってしまうことで、口の中を清潔に保てず、細菌の活動を抑える事ができなくなり、さらに発生した口臭が気体としてどんどん出ていってしまうのです。

自律神経の乱れ

閉経にともなって卵巣の機能が低下しているので女性ホルモンの分泌が減ってくるのですが、脳はまだ女性ホルモンを出すように命令します。

ところが脳からの命令に対して、女性ホルモンが分泌されないために、脳からの伝達が上手くいかなくなります。

その影響を受けて、心理的に不安定になるほか、自律神経にも乱れが生じてしまうのです。そして唾液は、この自律神経によって分泌されています。

自律神経の乱れによって分泌量が減ったり更年期障害などによって、精神的なストレスが溜まる事で、自律神経の中の交感神経という神経が活発になります。

そして唾液の性質もネバネバしたものになって口の中が渇きやすくなり、口臭が発生しやすくなってしまうのです。

更年期の口臭には、ドライマウスの対策を!

このように更年期の口の臭いの原因の多くは、唾液の分泌が減って口の中が渇いてしまう事によるもので、このような症状を、ドライマウスと呼びます。

つまり唾液を出してあげるか、口の中の渇きを潤せば口臭は治まってきます。

水分をとる

更年期では、汗が大量に出る、という症状があったり、また年齢にも影響しますが、体内の水分量が少なくなりがちです。

そしてそれは唾液の分泌にも影響してきます。こまめに少量ずつの水分補給を心掛けましょう。水を飲む事で、口の中が湿りますし、唾液も出てきます。

この時にコーヒーやお茶は、カフェインを含んでいて、利尿作用という体内の水分を排出する働きがあり、逆効果になるので控えましょう。

ガムを噛む

ガムを噛むことは、ガムの味に反応して唾液が出てくるのに加えて、舌やアゴを動かすことによっても、唾液の分泌を促します。
「即効性のある口臭対策:ガム」

唾液を出す運動

舌やアゴ、口の運動によって唾液を分泌する事ができます。場所を選ばずできる口臭対策といえます。
「口臭対策の為の、唾液をだす運動」

ジェルスプレー

これは唾液を出すというよりも、口の中が湿った状態を長続きさせようとする口臭グッズで、完全な液体ではなくジェル状になっているので、口の中にとどまりやすい、というものです。
「バトラージェルスプレーは口臭対策に効果がある?」


更年期に現れてくる症状(更年期障害)には色々なものがありますが、口臭に関しては、原因が分かっているので対策もとりやすいと思います。

そして上記のような対策以外に当然必要なのが、歯磨きによる口の中の清掃です。

最低でも1日に1回は時間をしっかりと取って、丁寧にブラッシングしましょう。
「口臭対策の基本、歯磨きの方法!」