空腹を感じている時に、口臭を感じたことはありませんか。人には病気とは関係なく、誰にでも起こる口臭があり、それを生理的口臭といいます。
そしてこのお腹がすいている時の口臭も、生理的口臭の1つです。
空腹なのになぜ口臭がおこる?
口臭とは、何かを食べた、その食べ物の臭いと考えられがちですが、それだけではありません。
むしろ食べ物の臭いは、歯磨きするだけで解消できる場合が多いので、それほど問題とはなりません。 お腹が減った時に口臭が発生する原因には、大きく分けて2つあります。
唾液の分泌不足
そもそも口臭とは、口の中にいる細菌が作り出すガスが原因です。
口臭が発生する仕組み! |
口の中には無数の細菌が存在していて、食べカスやはがれた細胞などをエネルギーとして増殖していきます。
細菌が分解した食べカスなどが腐敗するときに、揮発性硫黄化合物と呼ばれる気体が作られるのですが、それが口臭の元となります。 |
このような、臭いの元を作り出す細菌の活動を抑えるのに効果があるのが、唾液です。 唾液には、
- 細菌のエサとなる食べカス等を洗い流す
- 細菌の活動を抑える酵素が含まれる
- 作られた口臭のガスを溶かして閉じ込める
などの働きがあります。つまり、
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ということです。 空腹の時は、食事をしていないので口を動かすことも少なく、唾液が出にくい状態です。
またある程度の空腹感を超えてしまうと、あまり食べ物の事を考えなくなり、余計に唾液が出ず、口の中が乾燥してしまいます。
そして口の中の乾燥が細菌を増加させ、口臭を増やしてしまいます。これらが空腹時の口臭の1つ目の原因です。
すい液という消化液の臭い
食べ物を消化する為に、体の中では色々な消化液が分泌されていますが、すい臓から出される消化液にすい液というものがあります。
このすい液は、通常十二指腸で分泌され、消化活動を行っています。 空腹の時には当然、胃の中に食べ物がありません。
ところが空腹を感じた胃は、消化活動を始めてしまいます。
これは胃がそろそろ入ってくるであろう食べ物を、消化させる為の準備作業と言われています。
この時、胃の中には食べ物がないのに、すい液などの消化液が分泌されてきます。
それらが分解されて血液に吸収され、肺に回り、呼吸として口から出てきたものが、口臭となるのです。 これら2つが、空腹時の口臭の原因です。
空腹の時の口臭は、どう解消する?
食事中、及び食後1時間位は、口の中の細菌によるガスの量が非常に少ない状態で保てています。食事による唾液の分泌や、胃では正常な消化活動が行われているからです。
そこから徐々に細菌が増え、口臭もきつくなっていくのですが、その時間帯が食後3時間経った頃になります。
食事の3時間後には、口の中の細菌が激増し、その後さらにゆっくりと増えていきます。つまりこの時間帯から、口のケアを気にしていけば良いのです。 空腹の時の口臭の対策は簡単です。
軽い食事をとる
空腹時の口臭とは、読んで字のごとく、お腹が空くから臭うのです。だからと言って一日中3時間ごとに食事は取れません。パンを少しだけ、フルーツをひとかけら。
それだけでも効果は十分あります。 また唾液を出すというのが目的の1つなので、おやつ昆布や、梅干しなども効果があります。
ガムを噛む
そんなにしょっちゅう物を食べられない、という方はガムを噛む事でも対処できます。
ガムの甘みの成分は味覚を刺激して唾液を分泌させますし、口を動かして噛むという行為自体も唾液を分泌させるのに役立ちます。
ガムを噛むには、キシリトール入りのものをおススメします。
キシリトールは甘みの元である甘味料ですが、虫歯の原因である酸を作らず、また歯の再石灰化にも効果が認められています。
お水を飲む
仕事中にガムなんて食べれない!という人は、お水を飲むだけでも効果があります。
コップ2杯程度のお水で十分。
口の中の渇きを抑えることは細菌の増加を抑えるし、胃の中の消化液を薄める役割も果たします。
空腹時の口臭は、原因が分かりやすいので唾液を出す、胃に何か入れるなど簡単に解消できます。
ただし自分では気づかない場合も多いので、食事の3時間後あたりから注意するようにしましょう。