矯正中の口臭、原因と対策は?

photo credit: Dr. Rutherford's orthodontic magic via photopin (license)

歯並びを良くする為に矯正をすることがありますが、その際に口臭が発生して悩んでいる、という人は結構います。

なぜ矯正中に口臭が起こるのでしょうか?

矯正中は口の中を清潔に保ちにくい!

口の中には億を越える数の細菌が存在しています。

それらは食べカスや、粘膜から剥がれた細胞などをエネルギーとして増殖していきます。そして食べカスなどのタンパク質を分解し、それらが腐敗する事で発生するガスが口臭となります。

つまり食べカスが残る事は、口臭を作り出す細菌のエサを増やす事になり、口臭もふえてしまうのです。

歯列矯正を行っていると、マウスピース型の矯正であれば、取り外しも出来るのですが、ワイヤー矯正ではそうはいきません。

ただでさえきちんと磨くのが難しい歯に、どうしても磨き残しができてしまい、歯垢(プラーク)と呼ばれる細菌の塊が出来て口臭を発生してしまうのです。

対策としては歯ブラシだけでなく、タフトブラシ(先の尖った小さいブラシや歯間ブラシを使用して細かな所まで磨く事を意識しましょう。
「口臭対策にタフトブラシ?」
「口臭対策には、歯間ブラシを使おう!」

また矯正の調節に歯医者さんに行った時に、歯垢の除去と、正しい磨き方の指導をお願いしましょう。

口の中が渇く?

唾液が行きわたらない

口臭は口の中の細菌が作り出すガスだと言いましたが、この口臭に最も必要なものが唾液です。

唾液には食べカスなどを洗い流して清潔にする作用(自浄作用)があり、また細菌に働きかける酵素やタンパク質を含んでいて、その抗菌作用によって増殖も抑えます。

矯正器具をつけている場合は、一般的に口の中に刺激を感じるので、普段よりも唾液が分泌していて、逆に出すぎで困る、という場合もある位です。

ただ舌側矯正ではほとんどないのですが、歯の表側矯正だと、場合によっては矯正器具に唾液が回らず渇いてしまう事により、細菌の増殖が起こって歯垢の付着とともに、口臭が発生する場合があります。

口呼吸

また歯の並び方(八重歯など)によっては、矯正器具を付ける事で口を閉じにくくなる人がいます。そのため呼吸を鼻ではなく口でも行ってしまいます。

そうなると口の中はとても渇きやすくなり、非常に口臭の発生しやすい状態になります。

特に寝ている間は無意識なので口呼吸が続き、さらに唾液の分泌も少ないので、朝起きたときの口臭が非常にきつくなります。朝の起床時に喉の痛みを感じる場合は口呼吸をしている可能性が強いです。

起きている間は出来る限り口を閉じる事を意識して、その事によって痛みがあるようなら、歯医者さんで相談しましょう。夜寝ている間の口呼吸は、すぐに改善するのは難しいです。
「口臭対策の為に口呼吸を改善!」

応急処置としては、マスクの上の部分を湿らしてそこを外側に折り返し、必ず鼻を出してそのまま寝る、という方法です。

口呼吸の改善とまではいかないかもしれませんが、寝ている間の鼻呼吸の助けにはなるでしょう。

矯正中の口臭は、人によって起こる、起こらないがありますが、一番大事なのは口の中を清潔に保つ事です。

矯正器具をつけている事で確実に歯を磨きにくくなっているのは間違いないので、丁寧な歯ブラシ等によるブラッシングと、歯医者さんでのケアを行ってすばらしい歯並びを手に入れましょう。