口臭が起こる原因とメカニズムは?

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仕事中のお客さんとの会話の時に口臭が気になる、なんて事はありませんか?

予防をしようにも、原因が分からなければできません。

でも口臭が発生するメカニズムを知ることで、口臭対策も効果的に行う事ができるのです。

口臭の種類にはどんなものがある?

口臭は大きく分けて、3つあります。

  • 生理的口臭
  • 病的口臭
  • 食べ物や嗜好品による口臭

生理的口臭とは、臭いの強い、弱いの差はあるものの、誰にでもある口臭です。

病的口臭とは、体の中に何らかの病気や不調があるために起こる口臭で、こちらは当然誰にでもある訳ではありません。

食べ物や嗜好品による口臭とは、臭いの強い食べ物や飲み物、アルコール、そしてタバコ等によって起こる口臭で、こちらも体に入れると誰でも臭いを出してしまいます。

生理的口臭の原因とメカニズムは?

口の中には細菌が存在しているのですが、その種類は300以上、数でいうと、億を越えると言われています。口臭はその口の中の細菌が作り出すのです。

細菌が口臭を作り出すメカニズムは次のようになっています。

口の中の食べカス、はがれた粘膜、血液の成分などを細菌が分解
 ↓
細菌がエネルギーとして取り入れて増殖
 ↓
分解された食べカス等が腐敗して臭いとなるガスが発生
(揮発性硫黄化合物と呼ばれる気体)
 ↓
口から出てきて口臭となる

そして生理的口臭の発生に大きく関わっているのが、唾液です。

口の中での唾液の働き!

唾液には食べ物の消化を助けるだけでなく、色々な働きがあります。その中で口臭に関係してくる働きが、自浄作用(じじょうさよう)と抗菌作用です。

自浄作用とは唾液が分泌される事によって口の中の食べカスなどをきれいに洗い流し、清潔に保つ作用の事です。

抗菌作用とは、唾液の中には細菌を殺菌する酵素やタンパク質が含まれていて、それらによって細菌が増殖するのを抑える作用です。

生理的口臭が発生する時とは?

生理的口臭は1日中発生し続けている訳ではありません。主に臭いが強くなるのは次のような時です。

  • 朝起きた直後
  • お腹が空いている時
  • 緊張している時
  • 女性の生理中など

そしてなぜこの時に口臭がきつくなるのかというと、理由は各々あるのですが、すべて唾液の分泌が減ってしまうからなのです。

生理的口臭の口臭対策とは?

自分の口臭の種類が生理的口臭である場合は、原因が唾液の分泌不足に関係している訳てすから、唾液を分泌させる事で大きく解消できます。

唾液の分泌方法としては、

  • 水分補給
  • 口・舌の体操
  • ガムをかむ
  • ツボを押す

などがあるので、口の中が渇いてきた、と感じた場合は、唾液を出す為の対策をとりましょう。

病的口臭の原因とメカニズムは?

病気や体の不調で起こる口臭には発生のメカニズムが2つあります。

それは不調な場所によって分けられ、1つは口の中や、鼻、喉、食道など、胃よりも上にある部分の病気と、もう1つが胃腸や肝臓、腎臓、肺などの内臓の病気や不調によるものです。

ちなみに病的口臭の80~90%は口の中に原因があると言われています。

胃より上に原因がある口臭のメカニズム

これに関してはメカニズムという程のものではないのですが、例えば口の中の歯周病による歯周病菌が臭いを作り出す、あるいはちくのう症が原因で鼻水が溜まり、その臭いが出てくる、といったものです。

臭いの原因は当然病気により色々とあるのですが、その臭いが直接口から出てくる、という事になります。

内臓が原因の口臭のメカニズム

例えば胃を例にとると、胃の不調(消化不良など)によって臭いの成分が作られたとします。その場合、胃から直接臭いが上がってくると思われがちなのですが、実際にはげっぷでもしない限り、その様な事はありません。

胃と食道の間には噴門(ふんもん)と呼ばれる場所があり、そこの筋肉が締め付ける事によって逆流しないようになっているのです。逆立ちしても出てこないのはその為です。
胃、噴門の画像

ではどの様に口臭が起こるのかというと、次のようになります。

消化不良等で胃の中に臭いの成分が溜まる
 ↓
臭いの成分が血液に溶ける
 ↓
血管を通って体中を回る
 ↓
肺にたどり着いたものが、取り込んだ酸素と交換され、呼吸として出てくる

自分の口臭の種類が病的口臭の場合は、当然の事ですが、病気の治療が最優先となります。

食べ物や嗜好品による口臭の原因とメカニズムは?

まず臭いの強い食べ物や飲み物をとった場合の口臭てすが、その食材の臭いが元々きついので、口に入れる事で臭いを発するのは当然です。

そのため対策としては、口の中を清潔にする事になり、ほとんどが解消されます。

ただし食材によっては、そうとも言えないものがあります。それが、にんにくを始めとするネギ類です。

これらに含まれるアニリンという物質は、体の中でさらに臭いのきつい物質に変化します。そうなると体の中で分解される事も、減る事もなく血液に吸収され汗や口臭として出てきます。

その時間は長いと、食べてから16時間とも言われています。体内から出てくるので、歯磨きだけでは解消されず、注意が必要です。
「にんにくの口臭、原因と対策は?」

アルコールの臭いが出てくるメカニズムも同様で、分解されずに残った成分が血液から肺に回って、呼吸として出てきたものです。

タバコに関しては、臭いのする成分であるニコチンやタールが含まれていて、それが体の中に残ってしまうのが原因です。完全に口臭対策を使用とするのであれば、禁煙しかありません。
「口臭の原因となるタバコ」

自分の口臭の種類、原因を理解してそのメカニズムが分かると、効果のある口臭対策がとりやすくなります。