口臭というと、どんな印象がありますか?
中年のおじさんの口の臭い、というイメージを持つ人も多いと思うのですが、実際には男の人の方が口臭はきついのでしょうか。
口臭の種類には、どんなものがある?
口臭には大きく分けて、3つの種類があります。
生理的口臭
1日中、臭っているわけではなく、
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などのように、時間帯や体の状態によって起こってくる口臭です。
生理的口臭の原因は、唾液の量が減って口の中が渇くことにより、口の中の細菌の活動が活発になって、口臭となるガスが作り出されるからです。
病的口臭
何らかの病気や体の不調によって発生する口臭の事で、次のようなものがあります。
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これらの他にも、原因となる病気は色々ありますが、口臭の原因の多くは、歯周病など口の中にあります。
食べ物による口臭
納豆や漬物、香辛料のきつい食べ物など、食材の臭いがそのまま臭ってくる事による口臭です。
通常は、口の中から食べ物の臭いの成分が無くなればおさまりますが、ニンニクやネギなどの臭いは、体の中で分解されないため、血液に吸収された臭いの成分が、肺に回って呼吸と一緒に出てきてしまい、長い時間、臭いが残ります。
「にんにくの口臭、原因と対策は?」
男性が女性よりも口臭が起こる理由は?
では、これらの原因に対して、男の人に口臭が起こりやすいのはなぜでしょう。
生理的口臭、病的口臭はどちらかというと、男女別では女性の方に起こりやすい部分があります。それでも男の人に口臭が多い印象を受けるのは、男の人の口臭に対する意識と、食べ物の好みや嗜好品にあると考えられます。
口臭を気にしない!
男の人が女の人よりも口臭が強い、1番の理由は、口臭を気にする人が、女性に比べて少ないことによるでしょう。
色々な調査でも、自分の口臭や、他人の口臭が気になる、と答える人の割合は、女性の方が高くなり、口臭が気になる、と答えた男性が68%なのに比べ、女性は83%だったという調査結果もあります。
それだけ、男性の方が気にしておらず、その為、口臭のケアにも時間やお金をかける人の割合が少ないと思われます。
歯磨きを見てみても、女性の方が時間、回数ともに多くなっていて、そのような結果が口臭につながってきているのでしょう。
食生活のかたより
相対的にみると、男性の方が外食をする機会は多くなります。(昼、夜を問わず)
外食が増えると、どうしても食事のバランスは悪くなりがちです。そして食生活の乱れによる体調不良は、口臭につながることがあります。
胃の不調は、口の中で口臭を作り出す舌の表面の汚れ(舌苔)と、深い関係にあるともいわれています。
「舌苔と胃に関係はある?」
さらに付き合いも含めた、アルコールのとりすぎも、口臭と関わりがあります。お酒もやはり男性の方が、飲む割合は高くなっています。(飲酒率 男性83.1% 女性60.9%(2008年))
また、男性のほうが、味が濃い、刺激の強い食べ物を好む傾向が強く、それらの臭いによる口臭の発生も多くなります。
たばこによる口臭
たばこも、禁煙している人が増えたといっても、やはり男性の方が多いのが現状です。喫煙率は、男性30.3% 女性9.8%(2014年)となっています。
そして、たばこを吸うことは、確実に口臭を引き起こします。それは、たばこに含まれるニコチンやタールなどの影響によります。
「口臭の原因となるタバコ」
さらに口臭が強くなるのが、一緒に飲むコーヒーです。
「なぜコーヒーが原因で口臭が起こる?」
それぞれが臭いの原因となるものを同時にとることで、臭いが混ざって、きつい口臭となります。そしてこの臭いのやっかいなところは、本人が気づきにくい、という点です。
周りの人からすれば、何であの臭いに気づかないのか、不思議に思うかもしれませんが、人間は、同じ臭いを嗅いでいると、鼻の感覚が麻痺してしまい、臭いを感じなくなるのです。
逆に、普段たばこを吸いながらコーヒーを飲んでいる人は、かなり気を付けた方がいいでしょう。特に、営業先や、接客しているお客さんなどに対しては失礼であり、喫煙後には、細心の注意を払いましょう。
「タバコの口臭対策は、どうしよう?」
実際には、男性よりも女性の方が口臭の原因となる要素は多くあります。
(女性の方が、歯周病にかかりやすかったり、生理中や妊娠中など、女性特有の口臭が発生するなど)
それでもなお、口臭といえば男性、という印象があるのは、やはり口の臭いに対する意識の違いといえるでしょう。