お茶は口臭対策に効果があるといわれますが、それはお茶の成分が作用するからです。
ところがお茶が口臭にとって悪い方に働くこともあるのです。
いったいどういう事か、良い点、悪い点に分けて見ていきます。
口臭にとってお茶の良いところ
カテキンによる消臭効果
緑茶の成分にはカテキンというものがあり、これはポリフェノールの一種です。ポリフェノールとは構造にフェノール性水酸基(-OH)というパーツをたくさん(ポリ)持つものをいい、種類は5000以上あります。
そしてこの-OH の部分は非常に結合しやすい性質を持ち、臭いの成分と結合する事で他の物質に変えてしまい、臭いの元から無くしてしまうのです。
カテキンによる抗菌効果
カテキンには他にも抗菌効果があると言われます。口臭は口の中の細菌が活動するときに作り出すガスなのですが、この効果により細菌を不活性化させて増殖を抑えます。
臭いの元に働きかける点で、口臭対策と言えるでしょう。
クロロフィル
クロロフィルとは葉緑素ともいい、植物に含まれる緑色の色素で光合成をするのに必要な物質です。
このクロロフィルは消臭効果があると言われているのですが、とても不安定な物質です。緑茶はこのクロロフィルをそのまま飲む事ができる飲み物という点で口臭対策に適しています。
口臭対策にとってお茶の悪いところ
口臭対策には唾液の分泌がとても大切になります。
唾液の自浄作用が口の中を清潔にし、また唾液の成分に含まれる抗菌効果のある酵素やタンパク質が、口臭を作り出す細菌に働きかけるからです。
ところがお茶は種類や飲み方によって、唾液の分泌を妨げ口臭対策としてではなく、口臭の原因になる事があるのです。
カフェイン
お茶には利尿作用があります。利尿作用とは、尿の量を増やして体の水分を外に排出しようという働きで、これはお茶に含まれるカフェインによるものです。
腎臓は血液から老廃物を取り出して尿を作る場所ですが、カフェインは腎臓の血管を広げる作用があり、その為多くの血液が流れ作り出される尿の量も増えるのです。
この利尿作用が働くと体の中の水分量が減少してしまい、それに伴い唾液の分泌量も減ってしまうのです。
カフェインは利尿作用の他にも、唾液の分泌を減らす要因となります。お茶に含まれるカフェインを大量に摂取すると、覚醒作用が働きます。よく寝る前にコーヒーを飲むと眠れなくなるというアレです。
(コーヒーにもカフェインが含まれます。)
この時、自律神経(自分の意志とは無関係に働く神経)では交感神経が働くようになります。
自律神経には、交感神経と副交感神経があり、安静時には副交感神経が、興奮時には交感神経が働くようになっています。
ここからが大事です
通常安静にしている時は、副交感神経が働きサラサラの唾液が分泌されているのですが、興奮して交感神経が働くと唾液の分泌される量が減ってしまうのです。
そして交感神経が働いている時の唾液の成分にはタンパク質が多くなり、ネバネバしているのです。
この様にお茶に含まれるカフェインによって、口臭対策に大切な唾液の分泌が妨げられるようになるのです。
お茶には口臭対策に期待が持てる成分が含まれているので、効果があると言えます。
ただし飲む量や中身に注意が必要でしょう。
消臭効果を期待しての場合には、緑茶を飲む事で効果がありますが大量に飲むのは避けましょう。
また唾液分泌の為の水分補給という観点では、カフェインの含まれないものにする必要があります。