ピロリ菌が口臭の原因に!!

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ピロリ菌という細菌をご存知でしょうか。

胃の中に存在するのですが、このピロリ菌が原因で口臭が発生する事があります。いったいどういう事でしょう?

ピロリ菌とは?

ピロリ菌は正式名称を「ヘリコバクター・ピロリ」といい胃の中にいます。

発見されたのは1982年なのですが、それまでは胃の中で細菌が生きている事はないと考えられていました。

それは胃の中が塩酸により非常に強い酸性を示しているからです。

ピロリ菌が、なぜその様な強い酸性の中で生息できるのかというと、ピロリ菌がたくさん持っている「ウレアーゼ」という酵素の影響。

ウレアーゼは胃液中の尿酸を分解して、アンモニアと二酸化炭素にします。

アンモニアはアルカリ性を示し、胃液中の塩酸と中和する事でピロリ菌が生息出来る環境を作るのです。

色んな病気を引き起こすピロリ菌

ピロリ菌は胃に感染する事で様々な病気を引き起こします。逆に胃炎や潰瘍のほとんどはピロリ菌が原因とも言われています。

ピロリ菌が原因で起こる病気

  • 急性胃炎→慢性胃炎
  • 胃潰瘍
  • 十二指腸潰瘍
  • 胃ポリープ
  • 胃ガン

この様に非常に怖い病気の原因となるのです。

そして日本人では50歳以上になると、約80%の人が感染していると言われます。これは幼少期の水道などの衛生状態が悪かった為、その時期に感染していると考えられます。

もちろん、ピロリ菌に感染している人が全て上記の病気を発症する訳ではありません。ただし感染者のほとんどが胃炎を起こすそうです。

ピロリ菌と口臭の関係

ではピロリ菌に感染する事で、どのように口臭が発生するのでしょう。

アンモニアの発生

ピロリ菌は生存する為に尿酸を分解する事でアンモニアを生成するといいました。

このアンモニアが血液から吸収されて肺を経由し、口から呼気として出てくると言われています。

またピロリ菌は唾液中にも存在することが確認されていて、それも原因となります。

胃炎による口臭

ピロリ菌による胃炎による口臭です。胃炎の人が全て口臭を発生している訳ではありませんが胃炎が慢性化したり、胃潰瘍までなると消化不良が起こります。

消化しきれず残った食べ物が体内で発酵し、臭いの成分が血液に吸収され、同じように呼吸として出てくる事があり、口臭となる場合があります。

または胃と繋がった同じ消化器官として、胃の状況を反映されると言われています。

その胃の状態が現れると言われているのが、舌の上の舌苔(ぜったい)と呼ばれる白い汚れです。

そして口の中で発生する口臭の約6割が、この舌苔で作られると言われ、舌苔が厚くなる事は口臭が強くなる事と繋がります。

ピロリ菌による口臭対策

口臭もそうなのですが、ピロリ菌に感染していると、胃炎などの症状が出てくる訳ですし、割合は少ないものの大きな病気に発展する可能性もあるので注意が必要です。

病院で胃潰瘍十二指腸潰瘍と診断されれば、保険の適用を受けて検査が行えます。

検査結果が陽性の場合には、抗生物質を投与する事で除菌を行う、という流れになります。

ただし全て必ず除菌出来るという訳ではなく、現在の除菌成功率は70~80%程度という事です。

失敗すると2度目、3度目と行っていくのですが、3度目からは保険が適用されません。また除菌中に下痢などの副作用が起こる事もあります。

乳酸菌が効く?

その他には普段の食生活にヨーグルトを取り入れる、という方法も注目を集めています。

ただし、どのヨーグルトでも良いというのではなく、乳酸菌LG21が含まれているものに効果があるということです。

LG21は胃酸に強く、強い酸性の環境でも増殖できます。

ピロリ菌を減少させる研究結果もあるようですし、LG21入りのヨーグルトを1か月程食べて除菌をすると、除菌率が10%アップしたという報告もあるようです。

口の中以外の原因で口臭が発生する割合は少ないのですが、胃炎が続き上記の様な口臭を感じる場合は、ピロリ菌が原因となっている可能性もあるかもしれません。

胃炎、胃潰瘍、胃がんの最大要因といわれているので、口臭の為だけでなく検査を受けておくのも良いかもしれません。