硫化水素といえば、温泉や火山などから発生している有毒の物質ですが、この硫化水素が口の中から発生するというのです。
いったいどういうことなのでしょう。
硫化水素とは?
口臭の元になるといわれる硫化水素ですが、いったいどんな物質なのでしょう。
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口臭と硫化水素の関係とは?上にも書きましたが、火山の噴火口や、温泉でも硫黄を含む所で発生しています。 (ちなみに硫黄は無臭です)
口臭には様々な原因がありますが、その1つに誰にでも時間帯などによって発生する、生理的口臭と呼ばれるものがあります。
生理的口臭の発生する流れ |
口の中には億を超える数の細菌が存在 ↓ 口の中の食べカスなどをエネルギーとして増殖 ↓ 細菌は、食べカスなどに含まれるタンパク質を分解 ↓ それらが腐敗するときに臭いの強いガスが発生 ↓ そのガスが口から出てきて口臭となる |
この時に作られる気体は、タンパク質の中の硫黄を含んだものとなり、それらは揮発性硫黄化合物と呼ばれます。その中に含まれる気体に、硫化水素があるのです。
口の中で作られる揮発性硫黄化合物は、
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硫化水素を含む口臭の対策は?の3つがそのほとんどを占めるといわれ、その中でも一般的に1番多くを占めるのが 硫化水素なのです。
(歯周病の人の口の中では、硫化水素よりもメチルメルカプタンの割合が増えるといわれます)
つまり、硫黄を含んだ食べカスなどのタンパク質を細菌が分解することによって、硫化水素が作られるのです。
この生理的口臭は、完全に無くすことはできません。生きている限り、大なり小なり発生します。
ただし減らす事は可能です。 硫化水素は口の中の汚れを細菌が分解することによって作られるガスなので、それらを取り除くことが必要です。
歯を磨く
まず絶対に行わなければならない、口臭の対策です。歯磨きによって、食べカスを取り除くことはもちろん、細菌の除去にも繋がります。
ちなみに歯垢(プラーク)と呼ばれる白い塊は、食べカスではなく、細菌の塊です。これを取り除くことが、最も重要になります。その為には、歯ブラシだけでなく、
などを使用して、できる限りの歯垢を除去しましょう。これは歯周病の対策にも繋がります。1日に何回も磨くのではなく、1回ていねいに時間をかけて行う方が、効果があります。
唾液を出す
生理的口臭を抑える為に非常に重要なのが、実は唾液です。
唾液には、
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などの働きがあります。 生理的口臭が強くなるタイミングというのがあって、
- 寝起き
- お腹の空いている時
- 緊張している時
- 女性の生理中
などが挙げられるのですが、原因は様々ですが、全てに共通するのは、唾液の分泌が減ってしまうからです。
(例えば寝起きなら、寝ていて口に何も入っていない時間が続いた後なので、唾液がほとんど分泌されていません)
唾液を出すには?
「口臭対策の為の、唾液をだす運動」にも詳しく書いてありますが、次のような方法があります。
- 水をこまめに飲む
- ガムを噛む
- 食事の時によく噛む
- お腹が空いている時は、軽く何かをつまむ
- 唾液が出るマッサージ
- 唾液が出る体操
これらを行って、口の中が潤った状態を保てれば、硫化水素を発生させる生理的口臭に関しては、かなり抑えられるでしょう。