舌の汚れが口臭になるってどういうこと?

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口臭の原因の多くは口の中にありますが、その多くは舌の表面の汚れで作られてます。

いったいなぜ、そしてどのように舌で口臭が作られているのでしょう?

舌の汚れの正体は?

舌はうっすらとピンク色をしているのが、正常な状態なのですが、舌の表面に白い、あるいは黄色っぽい汚れが溜まっている事があります。

これは舌苔(ぜったい)と呼ばれるもので、口臭の大きな原因になります。

舌の汚れの成分はいったい何?

舌苔が何でできているかというと、

  • 食べカス
  • 口の中の粘膜がはがれた細胞
  • 血球(白血球などの血液の成分)
  • 細菌(死骸と生きている細菌)

主にこれらの成分で構成されています。

舌の表面は平らではなく、舌乳頭(ぜつにゅうとう)と呼ばれる小さな突起が無数にあり、舌の表面積を大きくしています。

舌には味蕾(みらい)という味覚の器官があるのですが、舌の表面積が大きいことによっていろいろな味を感じる事ができます。

また突起によって舌の表面を守ることにも役立っています。

ところが、この平らではなくたくさんある突起の為に、非常に汚れが溜まりやすくなってしまいます。

唾液に混ざっている汚れの成分が、舌の上を通るときに舌乳頭のすき間に入っていき、溜まっていくといわれています。

舌の汚れが口臭の原因?

舌が汚れている事と、口が臭う事には深い関係があります。そもそも口臭はどのように発生するのでしょうか?

口臭ができるメカニズム
口の臭いは細菌が作り出すガスです。

口の中の細菌は増殖するために食べカスなどに含まれるタンパク質を分解してエネルギーとします。

その時に分解されたタンパク質は腐敗して、硫黄化合物が作り出されるのですが、これが口臭の元となります。

この物質は非常に気体になりやすく、口の中の唾液が渇くと、すぐに臭いのきつい気体として出てきます。

このような流れで口臭は作られるのですが、細菌がエネルギーとするための材料が、舌の表面に溜まっているために、舌で口臭の多くが作られるのです。

つまり舌の汚れが口臭の大きな原因となっているのです。

口の中で作られる口臭の約6割が、舌の上で作られているといわれています。

舌の汚れによる口臭の対策は?

唾液をたくさん出す

唾液には、口の中の汚れを洗い流す役割(自浄作用)があり、口臭の原因である舌苔も唾液がたくさん出る事で減らしてくれます。

また唾液の成分には、細菌の活動を抑える酵素などが含まれ、抗菌作用を発揮します。

口呼吸をしている場合は、口の中が渇きやすくなって、汚れが溜まりやすく、とれにくくなるので注意が必要です。

「口臭対策のために口呼吸を改善!」

舌の汚れをとる

舌の汚れが口臭の原因なら、取り除けば良いのでは?と考えがちですが、注意が必要です。

舌というのは粘膜であり、味を感じる器官もあるため、強い刺激を与えるのは良くありません。

ましてや歯ブラシで歯磨き粉をつけてゴシゴシ磨くのは問題外。

やり過ぎると味覚に支障をきたしたり、舌の汚れも、体を守るために、余計に分厚く付着するようになる事もあります。非常にデリケートな場所なので、優しくケアしましょう。

重曹うがい

最も舌に優しい方法がうがいでしょう。

もちろんただの水でも、汚れを洗い流す意味では効果がありますが、殺菌作用のあるうがい薬なら、舌の細菌の活動を抑える効果が見込まれます。

また重曹を用いたうがいも効果があるといわれています。

重曹は弱アルカリ性でタンパク質を分解する作用があり、お掃除に使われる事も。

食用、あるいは薬用(工業用のものは使用不可)の重曹を用いてうがいする事で、舌の汚れの中のタンパク質を分解して、細菌の活動を抑える事ができます。

「口臭対策には重曹うがいが効果的!」

舌苔を除去する食べ物

舌の表面を、食べるだけで取ってくれるといわれる食べ物があります。それが

  • キウイ
  • パイナップル
  • パパイヤ
  • イチヂク

などです。

これらの果物には、タンパク質を分解する酵素が含まれています。お肉とパイナップルを一緒に入れると、お肉が柔らかくなるのはこの為です。

この酵素が、舌の汚れのタンパク質を分解して落としやすくするのです。

ただし缶詰では熱を通してあるので、酵素の活性が落ちてしまい効果なくなるので、生のものを利用しましょう。

「舌苔の除去にはキウイフルーツが効果あり?」

また、はちみつにもタンパク質を分解するプロテアーゼという酵素が含まれているので、その効果により汚れが取りやすくなります。

「口臭対策に、はちみつが効く?」

舌を上あごでこする

これも舌に優しく汚れをとる方法。

舌の表面を上あごにこすり付ける事で、舌の奥の方は難しいですが、ある程度取り除く事ができます。

また上あご自体にも、汚れは溜まっていて、舌でこする事で両方の汚れをとる事ができ一石二鳥です。

舌みがきを使う

舌はデリケートな器官なのであまりおすすめはしませんが、どうしても舌を磨きたい場合は、専用の道具を使いましょう。

そして できるだけ優しく取るようにしてください。

「舌苔に、どうしても舌ブラシを使うなら!」


よく勘違いしている人がいるのですが、正常や舌は、鮮やかなピンク色をしているのではありません。

逆にそのような色の舌は、少し表面に痛みや熱を持つ、正常ではない状態です。

舌の突起の先は角質化して白くなっているもので、舌の汚れもうっすらと付いているのが正常な状態。

それを口臭の原因だと考えて、すべてピンク色の舌にしようと、ゴシゴシ磨く事は逆効果になるので、絶対やめましょう。