最近テレビや雑誌でも取り上げられる事の多い、スメルハラスメントという言葉を知っていますか?
口臭とも深い関係のある、このスメルハラスメントについてみていきます。
スメルハラスメントとは?
スメルハラスメントはスメハラとも略されるのですが、最近では色々なハラスメントが出てきて、正直、付いていけていません。
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聞いたことのある物では、これらが頭に浮かびましたが、調べたら何と、30種類あるそうです。
スメルハラスメントの定義としては、スメル(臭い)+ハラスメント(嫌がらせ)となります。
ここでちょっと勘違いしてしまう人がいるのが、スメハラは、臭いを出している人が、他の人から臭いを責められて、被害者になる、という事ではありません。
臭いを出して周りの人を不快にしている、加害者になる、という事です。
臭いというデリケートな問題のため、指摘しにくく解決が難しいとされています。
ただし、自分の臭いを自覚していない人に関しては別ですが、自分で口臭や臭いを分かっていて対策も色々と行っているのに加害者にされる、というのは納得いかない部分でもあります。
スメルハラスメントの種類とは?
スメルハラスメントの原因になるものには、意外なものもあります。
口臭
まず、真っ先に想像できる、スメハラの原因でしょう。自分、他人どちらに関しても、臭いで1番気になるのが「口臭」という調査結果があり、他人の口臭が気になる人は、80%を超えています。
口臭の原因の90%は口の中に! |
口臭には、誰にでも起こる生理的口臭と、病気が原因となって起こる病的口臭に分けられます。
生理的口臭は主に、口の中の唾液不足による乾燥によって、細菌が食べカスなどを分解、腐敗して作り出すガスが原因となります。 病的口臭に関しては、最も多いのが歯周病や虫歯、それ以外には胃や腸、肝臓、肺、鼻、喉などの、不調や病気が関係してきます。 |
体臭
次に考えられるのが、体臭といわれる臭いです。
加齢臭
40歳頃から急増するといわれる加齢臭。年をとると特有の臭いが発生することは分かっていましたが、資生堂がその臭いの成分、ノネナールという成分を発見しました。
この物質は皮膚の毛穴の中にある皮脂の成分が、酸化・分解されることで作ります。
わきが
わきがとは脇からかく汗のうち、アポクリン汗腺という汗を分泌する腺から出てくる汗が原因といわれています。
普通の汗は、その成分が水とわずかな塩なのに対して、アポクリン汗腺から出る汗には少し白っぽく粘りがあり、脂質や糖質、鉄分、アンモニアを含んでいます。
この汗自体は無臭なのですが、細菌によって分解されることで、わきが特有の臭いの成分が作られます。
アポクリン汗腺は、誰にでもあるのですが、わきがの臭いのする人としない人がいます。
それは、わきがのある人のこの汗の腺の数が多い、あるいは大きさが大きい事が原因といわれています。
糖尿病
糖尿病にかかると、体から甘酸っぱい体臭がしてくることがあります。
通常体の中では、炭水化物として取り入れた糖をエネルギーとするのですが、糖尿病になると上手くエネルギーにする事ができなくなります。
するとエネルギーが必要な体は、脂肪を分解してエネルギーにしようとするのですが、この時にケトン体と呼ばれる物質を作ります。
この成分が血液に吸収され体の中を回り、汗として出てきて体臭になります。そして肺にまで回って呼吸と一緒に出てくると、口臭になります。
「糖尿病と口臭の関係」
ちなみに炭水化物を抜くような無理なダイエットでも、体の中で同じような事がおこり、酸っぱい体臭や口臭が発生する事がります。
「口臭の原因になる!かもしれないダイエット?」
香水
スメルハラスメントの原因となるものに、香水があります。確かに満員電車で、きつい香水の香りが気になった事のある人も多いと思います。意外と問題になるのが、この種のにおいなのです。
なぜかというと、口臭や体臭よりも、本人が周りに迷惑をかけている事に気付きにくいからです。本人は当然、いい香りと思ってつけています。
(思っていなければつけません)
ところが人間の鼻は、においに慣れるようにできていて、香水の香りが物足りなくなり、つけすぎるようになるからです。
また、本人は好きな香りでも、その香りを不快に感じる人もいるからです。
男性のコロン(香水)についても同じ事がいえますが、男性のコロンの香りがきつい場合の方が、評判は悪いように感じます。
体臭などを気にしてつけている香水で、においが臭いと言われていては本末転倒です。くれぐれもつけすぎに注意しましょう。
スメルハラスメントの対策は?
口臭の対策は?
口臭にも原因は色々ありますが、最も多いのは、誰にでもある生理的口臭と歯周病による臭いです。
生理的口臭の対策としては、原因の多くが唾液の分泌不足のため、普段からサラサラの唾液を出す意識を持ちましょう。
「口臭の為の、唾液をだす運動」
歯周病の臭いに関しては、歯医者さんでの治療と、自分で行うプラークコントロール(正しい方法での歯磨きの除去)しかありません。
30歳以上の80%が歯周病ともいわれています。自分は歯周病ではないと思っている人も、1度歯医者さんで診てもらってください。
体臭の対策は?
体臭の原因の多くは汗です。
ただし体から出てくる汗自体は臭うものではなく、出た後に細菌がその水分で、皮脂などを分解して臭いの成分を作り出しているのです。
なので1番の対策は、出た汗をすぐに拭き取り、湿った状態を作らない事です。
また食事の取り方でも対策がとれます。
細菌が分解する皮脂などは、動物性のタンパク質や脂肪を取ることで増えてしまいます。
そのような食材に片寄って食べていると、臭いの出やすい体質になるといえます。魚や野菜など、バランスの良い食事を心掛けましょう。
香水などの対策
これはもう、つけすぎるのを注意する、としか言いようがありません。
また最近では、洗濯の時の柔軟剤のにおいがきつい、気分が悪くなる、という人もいます。
とにかくスメルハラスメントに関しては、自分が良くても他人にはどうか?という視点も必要なようです。