食後の口臭の原因は?

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食後に口臭がするのを気にしている人は多いと思いますが、なぜ臭いがするのでしょう。

食事をしたから当たり前、と思うかもしれませんが、食後の口臭は食べたものの臭いだけではないのです。

食後の口臭はなぜ起こる?

食後に口臭が起こる原因には次のようなものがあります。

食べた物の臭いが出てくる

これは臭いのきつい食べ物を食べたときの口臭です。

  • 納豆
  • 漬物
  • にんにく
  • ネギ
  • キムチ
  • アルコール
    など

食べ物自体が強い臭いを出すため、当然、口から臭いが出てきます。これらの場合、食べ物の臭いの成分が口の中から無くなれば、口臭も引いてくるのですが、にんにくネギ類は、例外となります。

これらに含まれる臭いの成分は、体の中に取り込まれてからも分解されず、血液を通って、その後、何時間も肺から呼吸に混ざって、口臭として出てきます。
「にんにくの口臭、原因と対策は?」

唾液の分泌が少ない

実は、食事の直後というのは、最も口臭の少なくなる時間帯なのです。

それは食事によって、多くの唾液が出てきて口臭を抑えてくれるからです。口臭に対しての唾液の働きを見る前に、簡単に口臭発生のメカニズムをみておきます。

口臭が起こる流れ
口の中には、億を超える数の、様々な種類の細菌が存在しています。

口臭は、それらの細菌の一部(悪玉菌)が活動するために、食べカスなどを分解して、それらが腐敗するときに作られる揮発性硫黄化合物と呼ばれるガスです。

成分は硫化水素、メチルメルカプタン、ジメチルサルファイドという物質がそのほとんどを占めます。

唾液には、細菌が作り出す口臭を抑える、色々な働きがあります。

自浄作用

唾液が分泌されることで、細菌のエサとなる食べカスなどを洗い流す作用があります。

抗菌作用

唾液の成分には、細菌の増殖を抑える働きをもつ酵素が含まれていて、細菌が作り出す口臭を減らすことにつながります。

臭いを閉じ込める

唾液があることで、細菌によって作られた臭いの成分を溶かして閉じ込めておく事ができます。

口の中を中性にする

食べ物を食べると、口の中は酸性にかたむきます。酸性の状態では、口の中の細菌が活発に活動するようになるのですが、唾液中の成分が中性にしようと働くことで、細菌の活動を抑えます。

このように唾液の働きによって、口臭を抑える事ができるのですが、唾液が少ないと、臭いが発生しやすくなるのです。

臭いを作り出す舌苔
舌の表面の白、あるいは黄色の汚れを舌苔(ぜったい)というのですが、口の中で作られる口臭の6割が、ここで作られます。

舌苔の正体は、食べカスや粘膜からはがれた細胞、血液の成分、細菌の死骸など、細菌のエサとしては、もってこいの成分です。

唾液の分泌が少ないと、舌苔も洗い流されずに、多くの口臭が作り出されます。

食後の口臭の対策は?

歯磨き

食後の歯磨きは効果があると思われますが、歯のすき間につまった食べカスを取り除く、ということであれば、それほど一生懸命にしなくてもとれると思います。

歯磨きは歯垢(プラーク)=細菌の塊、を取り除くための手段であって、食後すぐにプラークができるわけではないので、食後の口臭という事だけでいえば、臭いのきついものを食べたとき以外はそれほど気にする必要はありません。

うがいをしすぎない

歯磨きにも共通するのですが、歯磨きの時に、口の中をきれいにしようとして、うがいをすると思います。

ただしきれいにしようと、何度も何度もうがいをする事は、口臭にとって最も大事な唾液を吐き出すことになります。

食後は細菌が少ない状態なので、うがいの水は飲み込んでも良い(歯磨き後のうがいではありません)、という歯医者さんもいるくらいです。

気になる人も、うがいをしすぎないようにしましょう。

舌苔のケア

食後は、歯のすき間以外にも、舌の表面に、食べカスが多く残っていて、これが食後の口臭の原因となる場合が多くあります。

この汚れ、舌苔(ぜったい)は、唾液が不足したり、タンパク質のとりすぎなどで溜まりやすくなります。

舌はとても繊細な場所なので、舌苔の取り除くのに、歯ブラシで磨くような事は、絶対にしないでください。

舌を上あごにこすり付けるなど、舌に優しい方法で取り除きましょう。
「舌苔からの臭いをケアする16の方法!」

食後の口臭の1番の原因は、唾液が不足することです。

まず食事中にはよく噛んで、舌やあごを動かすことで、唾液の分泌を促しましょう。また、ガムを噛んだり、舌の運動なども効果があります。
「口臭対策の為の、唾液をだす運動」