出産後に口臭が強くなる?

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出産後に口臭が強くなった、という女性の話をよく聞きます。

何が原因となっているのか、そしてそのような口臭の対策はどうしたらいいのでしょう。

出産後の口臭の原因は?

女性ホルモンの減少

女性ホルモンには、女性らしさを作るエストロゲンと、妊娠を助けるプロゲステロンという2つのホルモンがあります。

妊娠中は、徐々にこれらの女性ホルモンの分泌が増えていきますが、出産後は、母乳の分泌をうながす、プロラクチンというホルモンの量が増え、女性ホルモンは2日たった頃から急激に減少していきます。

女性ホルモンは、唾液腺を刺激し、唾液を出す働きをしているのですが、女性ホルモンが減ることで、口の中の唾液の量も減って、口が渇きやすくなる事があるのです。

唾液と口臭の関係
口の中の細菌は、増殖するために食べカスなどを分解してエネルギーとしますが、それらが腐敗するときに作られるガスが口臭の元になります。

唾液には、細菌のエサとなる食べカスを洗い流し、作られたガスを溶かして閉じ込めておく働きがあります。また、細菌の活動を抑える成分が含まれています。

このように口臭を抑えるのには大切な唾液が、出産後には減ってしまい、口臭を強くする原因となります。

水分量の減少

出産後は、母乳によってお母さんの体の中の水分が減ってしまいます。母乳の成分の約88%は水分といわれています。

唾液も成分のほとんどが水分であり(99.5%)、体内の水分量が減ると、唾液の分泌量は減って、同じく口臭が強くなる原因となります。

歯周病による口臭

歯周病は、歯周病菌が感染する事で起こり、歯茎が腫れながら進行していく病気ですが、口臭の最も大きな原因となる病気です。

歯周病の画像

この歯周病は、妊娠中に進行しやすい病気なのです。

その原因の1つとして、つわりや体調不良により歯磨きが不足して、口の中の清潔を保てなくなることがあります。

そしてもう1つは、妊娠中に女性ホルモンが増加する事が影響しています。女性ホルモンは、歯周病菌の増殖を促進してしまう為、それまで歯周病でなかった人が、妊娠中に進行して、口臭の発生のきっかけとなるのです。

歯周病には、歯茎の腫れと出血のおこる歯肉炎と、歯を支えている骨が溶け出す歯周炎がありますが、妊娠の中期には、妊婦さんの約半数が、妊娠性の歯肉炎になるといわれています。

このように、妊娠中に悪化した歯周病によって出産後も、口臭が発生している可能性があります。

出産後の口臭への対策は?

出産後の口臭は、唾液の分泌不足と、歯周病が大きな原因と考えられるので、それらの対策をとりましょう。

唾液を増やす

出産による体の変化は1~2年間続く場合があるといわれているので、その間は特にケアが必要です。

水分をこまめにとる

口が渇いている、と感じたら、できるだけこまめに水分をとるようにしましょう。1度に大量の水をとるよりも効果があります。

よく噛む

食事の時によく噛むことで、唾液をたくさん出す事ができます。食事中以外だと、ガムを噛むのも唾液を出す助けになります。

ストレスをためない

子育て中は、色々とストレスがたまり、イライラする事も多いと思いますが、そのような状態の時には、唾液の分泌は減ってしまいます。唾液は自律神経の働きにより、ゆったり落ち着いている時の方が、大量に出ます。

歯周病を治す

歯周病に関しては、自分だけで治すことはほぼ不可能で、放っておくと悪くなる一方です。そして少しでも早ければ早いほど回復しやすく、手遅れになると歯が抜けてしまいます。

歯周病の原因となるのは、細菌の塊である歯垢で、これを取り除くことが大切です。

自宅でのケア

お家では、正しい方法で歯を磨く事によって、できるだけ清潔にする必要があります。できれば、デンタルフロスや、歯間ブラシを併用して、徹底的に歯垢を取り除きましょう。
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「口臭対策に歯間ブラシを使用しよう!」

歯医者さんでのケア

ただし、どれだけきれいに取り除こうとしても、ある程度は磨き残しがあります。

また、歯茎が腫れてできた歯と歯茎のすき間(歯周ポケット)の中の歯垢は、すべてを取り除く事はできません。

残った歯垢は石灰化して歯石となり、歯ブラシでは、はがれなくなります。そうなると、歯石によって表面がザラザラして、さらに歯垢が付着しやすくなり、悪循環を繰り返します。

歯医者さんでは、特別な器具で歯石も取り除いてくれるので、歯医者さんの力を借りないと、歯周病は改善しません。

歯周病は自覚症状の少ない病気なので、出産後の口臭を感じる場合は、歯周病の検査と、正しい歯磨きの方法を指導してもらうために、1度歯医者さんに通ってみてください。