タバコが口臭の原因となる理由と、その対策!

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タバコは口臭の原因になります。

タバコを吸っている人は気にしていると思いますが、実際に周りの人が感じる口臭は、吸っている人が想像している以上と考えて間違いないでしょう。

人間の鼻は臭いに慣れるように出来ているので、たばこを吸う人と吸わない人では、感じ方に大きな差があります。

タバコはなぜ口臭の原因となるのか、そして対策について考えていきます。

タバコが口臭の原因となる仕組み

タバコが口臭の原因となる要素は、大きく分けて3つあります。

タール

タバコの成分のひとつであるタールは、口臭の原因に大きく関わっています。

タールは、非常に粘り気のある液体で、4000種類の化合物が結合していて、その内の200種類は体に有害な物質であると言われます。

タールはそれ自体が焦げ臭く、いわゆるヤニの臭いを発します。

そしてこのタールは、粘り気があるという性質から口の中の舌の表面(舌苔)や、歯に付着します。そしてさらに煙として吸い込み、肺にまでも付着するのです。

そのもの自体が臭いを出すタールが口の中や、肺にまで付着するのですから、当然口臭となってしまいます。

ニコチン

タールと同じくタバコの成分であるニコチンも口臭の原因となります。

ニコチンとは揮発性のある物質で、非常に毒性が強いです。ちなみに、タバコ2本分に致死量にあたるニコチンが含まれてます。

また依存性の強い物質で、タバコを止めることが出来ないのは、この物質が含まれているからです。

ニコチンには毛細血管を収縮させる作用があるのですが、これが口臭の原因と大きく関わっています。口の中の血管が収縮されると、当然血液の循環が悪くなります。

そうなると口の中に分泌される唾液の量が減ってしまいます。

口の中が乾燥してねばねばした状態です。

唾液は口臭を抑える為にとても必要なもので、ニコチンを摂取することによる唾液不足が口臭の原因となります。

歯周病

歯周病は口臭の大きな原因となり、タバコが歯周病にとても悪い影響を与えます。

タバコが健康に及ぼす害は色々と言われてきているので、ご存知の方も多いと思います。タバコのパッケージに書かれている位ですから。

タバコには、4000種類以上の化学物質が含まれ、そのうちの200種類程が有害物質であり、発ガン性物質も含まれます。

それだけで体には十分悪そうなのですが、それらの中で有名なものとしてはニコチン、タール、一酸化炭素などがあります。

上にも書いたタバコの物質が、歯周病に大きな影響を与えるのです。

歯周病にかかりやすくなる

人間の体には、元々病原菌などが侵入してくるのを防ぐ為の免疫機能を持ちます。

ところがニコチンは一種の神経毒であり、歯茎においての免疫力を低下させてしまいます。

病原菌と戦う細胞として白血球がありますが、ニコチンはこれらの数や機能を減少させてしまうのです。

その結果、歯周病菌の感染を引き起こし、歯周病にかかるきっかけとなってしまうのです。

あるデータでは、1日に10本以上吸っている人では5. 4倍、10年以上吸っている人では4. 3倍、歯周病にかかりやすくなるという事です。

歯周病が進行しやすくなる

タバコに含まれる一酸化炭素は酸素の供給を妨げます。

またニコチンには血管を縮めてしまう作用があり、こちらも酸素を供給しにくくなります。

その結果、体内で酸素不足が起こり栄養分が行き渡らなくなります。そのため歯茎が活性化されず、歯周病も改善されにくくなります。

またニコチンの血管収縮作用は歯周病が進んだ時に、歯茎の出血や腫れをを抑えてしまうので、歯周病に気付いた時にはすでにひどくなっている、という事が起こります。

またタバコを吸うと唾液の分泌が減少します。

唾液には口の中の細菌に対して抗菌作用を示す酵素が含まれるのですが、それらが減ることで細菌の塊である歯垢が増えて、歯周病が進行してしまいます。

そしてタバコに含まれるタールは、歯に付着する事で歯の表面に段差を作り、これも歯垢が付着しやすくなるきっかけを作り、歯周病進行の手助けとなってしまいます。

歯周病が治りにくくなる

歯周病を治療していく事で、歯周ポケットの深さが減っていく、歯茎の組織が再生していく、となるのですが、その際、 喫煙者の方が非喫煙者よりも治りが悪いというデータがあります。

それはタバコを吸っている本数に比例して悪くなっていくとの事です。

この様に タバコを吸う事で、歯周病に

  • かかりやすく
  • 進行しやすく
  • 治りにくく

なり、また再発もしやすくなります。

そして歯周病によって、口臭がきつくなっていきます。
「歯周病による口臭の原因と対策はコレ!」

タバコによる口臭の対策は?

さて、これらの物質が原因となっていることは分かったのですが、どのように対策をしていけばよいのでしょうか?

結論から言うと、タバコを吸っている限り口臭は無くならないので、 完全に解決するには禁煙しかありません。

タバコの中の臭いを出す成分が付着する訳なので当然ですが、少しでも口臭を減らす事はできます。

ニコチンが原因の口臭対策

唾液の分泌不足で口臭が発生するのですから、唾液の分泌を促せばよいのです。

ガムをかむ

口臭対策として、ガムの香料で臭いをごまかすために利用している人も多いと思いますが、タバコの場合は唾液を出す為に噛んでいると思って下さい。

ガムの甘味に反応して唾液が出てきますし、舌、口、アゴを動かすことでも唾液の分泌を促します。

水分補給

体内の水分が足りていない時は、唾液の分泌も減ってしまいます。

ただし必要以上に飲んでもお腹がタプタプになるだけです。水分補給と同時に唾液を出さないと、あまり意味がありません。

タバコを吸った後、水分補給と同時に舌を動かす、酸っぱいものを想像するなど、唾液が出るように工夫しましょう。

タールが原因の口臭対策

うがい

喫煙後はすぐにうがいをしましょう。

なかなか出来ないかもしれませんが、喫煙後、口の中には確実にタールが存在していて、口臭の元となるのです。

肺に付着するものはどうしょうもないですが、口の中のタールは少しでも早いうがいで多少は取り除く事ができます。

「口の中の残り香がいいんだ!」という人は、タバコの口臭対策は諦めましょう。

歯磨き

こちらも口の中のタールを取り除くという意味では大切です。

ただし自宅での歯磨きで、付着したタールをすべて取り除くことはほぼ不可能です。またステイン除去などをうたった歯磨き粉は研磨剤が多く配合している場合が多く注意が必要です。

そのような歯磨き粉でなくても、タールを取り除こうと力を入れてゴシゴシ磨くのは止めましょう。

歯ぐきを傷つけるだけでなく、歯の表面のエナメル質も傷つけてしまいます。

傷ついてデコボコになった歯の表面には、余計に汚れや歯垢が溜まりやすくなってしまい、結果、さらに口臭がきつくなります。

正しいブラッシングを行い、歯医者さんでヤニ取りなどの定期的なクリーニングが一番確実でしょう。

どちらの対策に関しても、根本的な解決には到りません。禁煙が無理でも、少しでも本数を減らすなどの努力は、口臭、歯周病、そして健康の為に必要な事でしょう。