食べ物によっては、その成分により口臭の原因となる事があります。
どの様に口臭が発生するかの仕組みと、具体的にどのような食べ物が口臭を発生させるのかを見ていきます。
食べ物が原因の口臭は、どうやって起こる?
食べ物の為に口臭が起こる場合には2つのパターンがあります。
食べ物の臭いがそのまま口から出てくる場合
1つ目は、その食べ物自体がきつい臭いを発していて、その臭いが直接口から出てくる場合です。
その様な食べ物は、食後にも口の中に臭いの成分が残っている為、呼気とともに出てきて口臭となるのです。
その臭い成分自体は、食後時間とともに、唾液が洗い流して無くなっていくので、それほど気にすることはありません。
早く臭いを抑えたい場合は、食後にうがいをしましょう。
必要以上に歯を磨いたり、過度なうがいは、食後に分泌される新鮮な唾液も洗い流してしまいます。
唾液は口臭を抑えるのにとても重要なので、気を付けましょう。
食べるとすぐ口臭になる食べ物
最も有名なのは納豆でしょう。
納豆は大豆を納豆菌によって発酵させるのですが、この時に発生するアンモニア有機酸やイソバレンシア酸と呼ばれる脂肪酸が原因です。
チーズやくさやも食べると臭いを発しますが、これらも製造する際に発酵させる為、臭い成分が作られます。
他にはたくあんも臭いがきつい食べ物ですが、これは大根が他の野菜と比べて含硫化合物が多く、発酵の過程で揮発性硫黄化合物が発生するからです。
先程も書きましたが、これらの食品は、臭いの成分が呼吸に混ざっているだけで、30分~1時間もすればなくなるので、心配しすぎる必要はありません。
食べ物の臭いが体を回って出てくる場合
食べ物の臭いが口臭となる場合、基本的には上で書いた様に、口の中の臭い成分が出てくるだけで、体の中の臭いが外に出てくるという事はありません。
その理由は、飲み込んだ食べ物の臭いが口から出てくる事が無いからです。
よく胃から臭いが上がってくる、という場合がありますが、胃と食道の間には噴門というフタがあり、食べた物を飲み込む時以外は閉まっています。
その為ゲップをした時以外は臭いが上がってくる事はありません。
また肝臓の働きも関係します。
肝臓には色々な働きがありますが、その中に、臭いの成分を分解して尿によって排出する、というものがあります。
これらの働きによって、基本的には口臭や体臭として食べ物の臭いが出てくる事はありません。
体の中から臭う食べ物
ただし例外があります。それが臭いの王様、ニンニク。他には同じネギ科の、ニラ、玉ねぎ、らっきょうなどもそうです。
これらは体の中に入ってからも口臭を発生させるのです。
ニンニクなどにはアリシンという成分が含まれます。このアリシン自体は熱を通すと臭いはおさまるのですが、体内で分解されるとアリル・メチル・スルフィドというとても臭いの強い物質に変化します。
この臭いの成分が胃や腸からそのままの形で吸収され血液を通って肺に達し、呼吸に混ざって口臭として吐き出されます。
つまり、臭いの成分が肝臓で分解され他の物質に変わるのですが、その変わった物質がまたもや、臭いのきつい性質を持っているので、臭いが無くならないのです。
この臭いは体の中から発生し続けるので、非常に長い時間継続します。
食後16時間以上続くとも言われています。
ただし、自分の体の中からずっと続く臭いの為、本人は気付きにくい場合が多いです。
この様な食材を食べた時は、自分が臭っているかも、という事を前提に、お口のケアをしましょう。