昔から体にとっては、腹八分目が良いといわれますが、実は口臭にとっても同じことがいえます。
食べ過ぎが、口臭を発生させるきっかけとなるのは、どうしてでしょう。
食べ過ぎによってなぜ口臭が起こる?
食べ物を目一杯食べ過ぎる事は、体のいろいろな所に支障をきたします。その結果、口臭が発生する場合がある、ということです。
胃の働きが弱くなる
食べ物は、口の中で噛み砕かれた後、次に胃で消化されます。
この時、食べ過ぎによって、胃の消化能力を超える量の食べ物が入ってくると、消化が追い付かなくなります。
また、そのような食生活を続けていると、胃が疲れてしまい、通常の量でも消化しきれなくなります。
いわゆる消化不良です。
消化不良になると、食べた物が胃の中に長い時間とどまってしまい、その間に腐敗していき、臭いの成分が作り出されてしまいます。
それらは、血液に溶けて体の中をめぐり、肺に達したものは、その一部が呼吸とともに外に出てきて、口臭となる事があります。
便秘になる
食べ過ぎが便秘の原因になるの?と思う人もいるかもしれませんが、消化不良と同様に、処理できない程の量の食べ物が入ってくると、便秘になって腸内に溜まってしまう事があります。
そうなると同じように、臭いの成分が体を回り、呼吸と一緒に外に出てきて口臭となる事があります。
肝臓の働きが弱くなる
肝臓は、食べ物を分解してエネルギーとして使えるものに変える働きがあります。また、食べ物から発生した有毒な物質を解毒する働きもあります。
食べ過ぎによって、肝臓の仕事が増えてしまい、働きが弱くなると、アンモニアなどの有毒な物質を分解しきれずに、その臭いが、肺から口へと出てくる事があります。
腎臓の働きが弱くなる
腎臓は体内の老廃物を取り除いて尿と一緒に排泄する働きがあります。
食べ過ぎにより大量の食べ物が入ってくると、その分排泄しなければならない不要なものも増えてしまい、腎臓の仕事が増え働きが弱くなり老廃物が残ってしまいます。
老廃物には、同じくアンモニアなどの悪臭の成分が含まれ、血液中に混ざって、口臭として出てくる事があります。
腎臓の場合は、特に 塩分のとりすぎがよくありません。
食べ過ぎによってすぐに口臭が発生する、内臓が弱ってしまう、という訳ではないのですが、食生活というのは通常、習慣化するものであって、お腹いっぱいまで食べる人は常に食べ過ぎてしまう傾向にあります。
そしてその習慣が長い期間続くことで、内臓などの不調にもつながり、口臭の発生する原因になる事があるのです。
ただし、全体の口臭の原因のうち、このような内臓の不調や病気が原因となるのは、それほど多くありません。
病気などで発生する口臭の、約90%が歯周病など、口の中に原因があるといわれているほどです。
ただ食べ過ぎが体の不調につながる可能性は非常に高いので、注意をするのに越したことはありません。
口臭の原因にもなる、食べ過ぎを抑えるには?
食べ過ぎを防ぐには、まずゆっくり食べる事です。
食べ過ぎの人には早食いをする人が多いのですが、早く食べると脳の満腹中枢と呼ばれる、お腹がいっぱいになったのを感じる場所が反応する前に、胃に食べ物が入ってきてしまい、必要以上に食べ過ぎてしまいます。
満腹中枢が刺激を受けるのには15~20分程かかるので、それより早く食べていると満腹を感じずに、食べ過ぎてしまうのです。
よく噛む
まずはよく噛む事を意識しましょう。時間をかける事ができる上に、細かく噛み砕く事で、消化する胃などへの負担も減らせます。理想は一口30回といわれます。
噛む事自体が口臭対策! |
時間をかける、消化しやすくする、というのとは別に、噛むことが口臭対策になります。
それは、噛む事で分泌される唾液です。 唾液には口臭を抑えるための色々な働きがあるので、その点からも食事中によく噛む事は、大切です。 |
一口を少なくする
食べ過ぎの人は、一口が多い場合があります。一口が多いと、当然早食いになりますし、口の中が一杯になるので、噛む回数も減ってしまいます。意識して少なくしましょう。
食器を小さくする
単純に、食べる量を減らせるのとともに、量を増やすには、おかわりをしなければならず、自分でたくさん食べているのを自覚できます。
食事中に少しずつ水分をとる
食べる合間にお茶などを飲むことで、満腹感が得やすくなります。ただし、ゴクゴク飲んで食べ物を流し込むような事はやめましょう。噛む回数が減り、早食いにもつながります。
食事は健康の基本です。ながら食べなどはやめて、ゆったりと楽しむようにしましょう。心を落ち着ける事は、口臭対策にもつながってきます。