口の臭いにはいろいろな種類がありますが、卵の腐ったような臭いと感じた事はありませんか?
このような口臭は、いったい何が原因で起こるのでしょう。
卵の腐ったような臭いの正体は?
卵が腐った臭いというと、何を思い出すでしょう。
温泉の臭い、と答える人がいると思いますが温泉でそのような臭いがするのは、硫化水素という気体が発生しているからです。
硫化水素 |
化学式がH2Sの無色の気体 非常に燃えやすく、強い毒性をもち、この気体の臭いが腐った卵のような臭いとなる |
こんな有毒ガスが口臭と関係があると思えないかもしれませんが、実は口の中で発生する卵が腐った臭いの正体は、この硫化水素そのものなのです。
つまり口の中で有毒なガスが作られているのです。もちろん空気と混ざって濃度が薄くなるので、そのせいで気分が悪くなるという事はほとんどありません。
卵が腐ったような臭いは、どこで作られる?
この卵が腐ったような臭いが起こる口臭は、生理的口臭といわれるものになります。
生理的口臭とは生きていれば誰にでも起こる口臭で、時間帯や状態によって強さが変わり、寝起きや空腹時、緊張している時などに強くなることがあります。
生理的口臭が起こるのは? |
口の中には無数の細菌が存在し、食べカスなどをエネルギーとして増殖していきます。
そのときに食べカスの中のタンパク質やアミノ酸を分解し、それらが腐敗するときに作られる気体の1つが硫化水素であり、口臭として出てきます。 |
このように作られる口臭のガスですが、ではその細菌はどこにいるのでしょう。
歯垢は細菌の塊?
歯のすき間や歯と歯茎の間に付着した、白い粘りけのあるものが歯垢(プラーク)です。
歯垢の事を食べカスがつまっているものと思っている人もいますが、実は細菌の塊で歯垢1㎎中に10億個の細菌がいるといわれています。
舌の苔?
舌の表面に白色か、黄色がかった汚れが付くことはありませんか?その汚れを舌苔(ぜったい)というのですが、口の中から発生する口臭の、約6割が舌苔から発生しているといわれます。
舌苔成分としては、
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などがありますが、舌には生きた細菌も存在していてそれらの物質を分解し、卵の腐ったような臭いとなる硫化水素を発生させているのです。
卵の腐ったような口臭の対策は?
生理的口臭というのは、生きていれば臭いの強弱はあっても必ず発生するものです。まったくゼロにする事はできないので、対策としては原因を少しでも減らす、という事になります。
歯垢の除去
まずは口臭を作り出す細菌の塊である、歯垢を取り除く事が必要です。
歯磨き
口の清掃の基本です。できれば1度歯医者さんで、正しい磨き方を教えてもらいましょう。
小さい頃に覚えた方法では、ちゃんと取り除けない、という事がよくあります。また回数や時間も、最低1日に1回は時間をかけて、ていねいに行いましょう。
「口臭対策の基本、歯磨きの方法!」
デンタルフロス・歯間ブラシ
デンタルフロスは簡単にいえば糸ようじです。
歯間ブラシも歯のすき間を磨くための、針金に毛が植毛された、小さなブラシです。
これらを使用することで、歯垢の除去率が上がります。
「口臭対策に欠かせないデンタルフロス」
「口臭対策に歯間ブラシを使用しよう!」
舌苔の除去
こちらも口臭の原因なので、取り除いた方が良いのですが、歯垢のように簡単な話ではありません。
舌の表面は、粘膜であり非常にデリケートな為、歯ブラシでゴシゴシ磨くような事はできません。もしやっている人は、すぐに止めましょう。逆に舌苔が厚く付着して、口臭がひどくなる事もあります。
できればブラシなどは使わず、うがいなどで対処するようにしましょう。
「口臭の対策に、舌磨きは使わない方がいい?」
唾液を出す
生理的口臭は、口の中の細菌が活動することで作り出されるガスですが、この細菌の活動を抑える働きがあるのが口の中の唾液です。
唾液は食べカスを洗い流して口の中をきれいにするだけでなく、唾液に含まれる酵素が細菌の活動を抑えます。
また唾液があることで、発生した臭いの成分を唾液の中に溶かして閉じ込めておく事ができるのです。
つまり唾液を出すことが、口臭を抑える最も重要になります。
逆に、寝起きや緊張している時など生理的口臭が強くなる時というのは、ほとんどの場合で唾液の分泌が不足しています。
卵が腐ったような臭いを抑えるためには、たくさんの唾液を出すように気を付けましょう。
「口臭対策のために、唾液をだす運動」