口臭には食べたものが原因となって臭う場合がありますが、そのような食べ物に玉ねぎがあります。
玉ねぎが口臭を発生させるしくみと、対策について考えていきます。
食べ物による口臭とは?
通常、食べ物を食べて発生する口臭は、口の中にその食べ物の成分が残っているからであり、それによって臭いが発生します。
そのため、臭いの強い食べ物(納豆や漬け物など)による口臭は、口の中をきれいにする(歯みがきなど)ことによって、ほとんどが解決します。
ところが、それでは無くならないのが玉ねぎによる口臭です。
玉ねぎが原因でおこる口臭とは?
玉ねぎが口の臭いとなるのは、玉ねぎに含まれるアリインという成分によります。
アリイン自体はそれほど臭いのきつい成分ではないのですが、このアリインが玉ねぎを切ることで、アリナーゼという酵素の働きにより、アリシンという物質になり、これが臭いのもとになります。
玉ねぎを切ったときに涙が出るのも、アリシンによるものだといわれています。
そしてこのアリシンが体内に入ると、体の中で分解されて、アリル・メチル・スルフィド(AMS)という物質に変わり、このAMSが玉ねぎによる口臭の最大の原因となります。
この物質は、体内で血液に吸収されて、体の中を回り、その一部は汗として出てきて体臭になることもあります。そして、肺まで回ったAMSが、呼吸と一緒に出てきて、口臭となるのです。
普通の臭いの成分や体にとって有害なものは、肝臓の解毒作用によって分解されるのですが、このAMSの困ったところは、それがされないという点。
この成分は体内で分解される事もなく、減りもしないので、汗や尿、呼吸として外に出続けることになります。この臭いは、食べた量にもよりますが、長いと食後16時間も続くといわれています。
ちなみに、この成分は、にんにくや長ネギ、ニラなどにも含まれ、同様の臭いが発生する可能性があります。
玉ねぎによる口臭、臭いの対策には?
口の中をきれいにする!
口の中には臭いの成分が残っている事が考えられるので、できれば歯みがき、無理ならうがいをしましょう。
また、唾液は口の中の汚れを洗い流す効果があるので、ガムをかんだり水分をとるようにしましょう。
火を通す!
臭いの成分であるアリインは、アリナーゼという酵素によって、さらに臭いの強いアリシンという物質に変わるといいましたが、酵素のアリナーゼは非常に熱に弱いため、調理の際にゆっくり、しっかり熱を通すことで作り出される臭いの成分を減らす事ができます。
つまり、逆に生のオニオンスライスやサラダの中に入っている玉ねぎは、臭いを発生させやすいので注意が必要です。
牛乳を飲む!
牛乳が胃の中で膜を張るので、臭いの成分が出てこない、など、臭いを抑える方法としてよく耳にする事がありますが、実際には牛乳が膜を張ることはないようです。
牛乳もタンパク質なので分解されるから、当然といえば当然ですが。
では牛乳の何が良いのかというと牛乳の水分、及び脂肪分が臭いを消臭する効果があるとのことです。
実際に牛乳によって、気体になった臭いの成分の濃度が下がる、という結果もあるようです。
牛乳を飲むタイミングとしては、本来なら食中、つまり食べながら飲むのがベストなのですが、なかなか抵抗がある人も多いでしょう。
食後よりは、食前の方が効果は高いようです。
つまり、食べたものと牛乳が混ざる必要があり、食べた後に時間が経っていると、臭いの成分が作られて、血液に吸収され手遅れだということです。
汗をかく!
とにかく体の中から臭いの成分を出せば良いので、汗として早く出しましょう。
ちなみに運動して汗をかくのは良いのですが、その汗は臭いの成分が含まれ臭っている可能性が高いので注意が必要です。
お風呂にいつもよりゆっくり入って、たくさんの汗を流すようにするのも効果的でしょう。
玉ねぎによる口臭は、時間とともに無くなっていくものなのでそれほど気にする必要はありませんが、自分では気付きにくいので食べたあと数時間は臭っている可能性があることを意識するようにしましょう。