痰(たん)と口臭の関係

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口臭の原因として、喉に絡んだ痰から臭っている様な気がする、という事を聞くことがあります。

痰は口の臭いの原因となるのでしょうか?

そもそも痰とは何なのか?

とは、鼻と肺の間に異物(塵や埃、細菌など)や膿が大量に入った時に、呼吸器から分泌される気道液という粘液。

体が自分を守るための生体の防御反応(体が自分を守る為に、体に悪いものを外に出そうとする反応)と1つでによって体外に排出されます。

タバコを吸っている人は、喉のイガイガや痰が絡むのを感じた事がある人が多いと思いますが、これは煙を吸っている事に対して、同じく体内に入れないでおこうという、生体防御反応です。

痰の色

痰の色は透明なときもあれば、少し黄色っぽい事があります。

これは風邪などを引いている時に起こりますが、細菌が感染した時に白血球が対抗してそれらが残った残がいの為です。

また少し緑色っぽい場合は、膿が混ざっている場合があり、副鼻腔炎の状態などでみられます。

痰の成分

痰に含まれているものとしては、痰の元となる気道液の他に、

  • 免疫細胞の残がい
  • 細菌の死がい
  • 血液成分
  • 粘膜が剥がれたもの、
  • 細菌

等があります。

成分としては、水分が主ですが他にタンパク質脂質炭水化物などがあります。

痰と臭いの関係

は痰が口臭の原因となるかという事ですが、結論から言うとその可能歳はあります。

肺等の病気

肺の病気によって痰が臭う事があり、肺化膿症などがそれに当たります。

この病気は、細菌の感染により肺の組織が壊れて穴が空き、そこに膿が溜まるというもので、症状に発熱や咳などと共に、痰が臭うというものがあります。

他にも「気管支拡張症」、「嚥下性肺炎」等も症状として、痰から臭いがします。

病気以外の原因

そもそも痰とは、体内に入ってきた不要なものを咳と共に排出する為に分泌されたものであり、色々な物質が含まれています。細菌や細菌の死がい、剥離した粘膜等です。

これらは口の中で最も口臭を作り出す場所である、舌苔(舌の表面に出来る苔のような汚れ)に含まれている物質と同じものです。

その為、同じ様に口臭が発生しそうなのですが、痰自体からは臭いがしない、との意見があります。

それは痰が気化しないからというもの。

臭いというのは気体になって、初めて嗅げる訳で、喉の奥に存在している状態では渇くこともあまり無く、口臭として気体が外に出てくる事は無いということです。

ただし、痰の中の臭いの物質の濃度が高くなり、その臭いの成分が出てくる事はあると考えます。それが黄色っぽい色をした痰の場合です。

この痰の中では侵入してきた細胞に対して、免疫活動として戦った白血球の残がいや細菌の死がいが存在しています。そして口臭を作り出す細菌も存在しているのです。

その中でタンパク質の分解や腐敗、自らの増殖を繰り返している訳ですから臭いが外に出てくることは有り得るでしょう。

つまり風邪などの時の細菌がたくさんいて、細菌のエサもたくさんあって、濃度が高くなり粘り気が出て、喉の奥に長い間留まっている痰からは、臭いが発生してくる可能性は高いんじゃないでしょうか。

膿を含んだ痰も同様です。

痰が原因の口臭に対しての対策としては、原因となる病気がある場合には当然その治療を行います。

それらの病気の場合、その他の自覚症状もありますので、早めの治療が必要です。

風邪気味の際の痰の臭いについては、体調の回復とともに口臭も解消していきますが、鼻炎、副鼻腔炎などが原因の口臭については注意が必要です。

これらは症状が鼻水、鼻づまりだけで放っておく人が多いのですが、とても慢性化しやすい病気です。そして慢性化すると非常に治しにくくなります。症状が出た時にきっちり治しきってしまう事が大切です。