口臭は若い人よりも中年の人の方が強くなる傾向があります。
いったいなぜ中年になると口臭がきつくなってしまうのでしょう?
なぜ中年になると口が臭ってくる?
中年になって口臭がきつくなる原因として、まず考えられる最も大きな原因が、唾液の分泌不足です。
その前に口臭発生の簡単なメカニズムをみておきます。
口臭はどのように起こる? |
口の中には、300種類以上、100億や1000億個ともいわれる数の細菌が存在します。
それらは増殖するために、食べカスや血液の成分などを分解して栄養にしています。 その分解されたものが腐敗すると、硫黄の成分を含んだガスを発生するのですが、その時に作られるガスが、口臭の元となり、口から出てくるのです。 |
唾液が口臭を抑えている!
実は口の中に溢れている唾液には、口臭が起こるのを抑えるための大切な役割があります。
自浄作用
唾液が大量に出てくる事で、口の中の食べカスや、はがれ落ちた粘膜の細胞や、血液の成分など、細菌のエサとなる汚れを洗い流す作用があります。
抗菌作用
唾液はそのほとんどが水分でできているのですが、それ以外に、細菌を殺菌したり、増殖を抑える、酵素やタンパク質が含まれています。
臭いを閉じ込める
唾液の成分のほとんどを占める水分(99.5%)が、作られてしまった臭いの物質を溶かしていて、そのまま飲み込むことで、口から口臭として出てくるのを防ぎます。
このように口臭対策にとってとても重要な唾液は、年をとると共に分泌量が減ってきます。特に閉経後の女性には、よく見られ、口臭が強くなる場合が多いです。
また加齢によって唾液の成分にも変化が起こり、細菌に働きかける成分が減ってきて、口臭を抑えるのに影響してきます。
歯周病が進行してくる!
歯周病は口臭を発生させる病気のなかで、最も大きな原因となります。歯周病自体は中年になる前から、かかっている人も多く、20代の人でもいます。
ただ、歯周病というのは歯周病菌による感染病なのですが、かかった瞬間から口臭が発生する、という訳ではなく、歯周病が進行するにつれて、徐々に臭いがきつくなっていきます
。そのため、中年の頃に歯周病が悪化していて、臭いがきつくなっている場合があります。
「歯周病になると臭いがおこる原因は?」
中年の口臭への対策は?
歯医者さんに診てもらう
歯周病に関しては、まず歯医者さんに行きましょう。
自覚症状の少ない病気なので、自分には関係が無いと思っていても、実は歯周病にかかっている、という事はとても多いようです。
水分をとる
加齢によって、体内の水分量は減ってしまいます。
そしてその事が、唾液の分泌量を減らしてしまう原因にもなります。一度に大量に飲むのではなく、こまめにとるようにしましょう。
歯磨きをする
これは当たり前の事なのですが、正しい磨き方できちんと磨けていない人は大人でも多いです。
1度、歯医者さんで歯磨きの指導を受けてみるのも良いでしょう。
うがい
唾液の分泌が減ることで、口の中の汚れを洗い流す事ができずに、口臭が作られます。
最も効果のあるのは歯磨きなのですが、それ以外にはうがいも効果が得られます。
ただの水でも構わないのですが、重曹を利用したうがいや、マウスウォッシュとして有名なリステリン、口臭予防に効果があるといわれる、なたまめの成分を含んだ、ナタデウォッシュなんていう商品もあります。
うがいは普段のケアや寝る前には効果があるといえます。
「口臭にマウスウォッシュは効果がある?」
ただし口臭のケアを、うがいだけで済ますことは問題があります。
口の中の食べカスや汚れは、ある程度洗い流せますが、細菌は、バイオフィルムというネバネバの物質となって、こびりついているので、うがいだけで落とすことはできないのです。
基本はやはり、歯ブラシなどを利用したブラッシングになります。
「口臭対策の基本、歯磨きの方法!」