口臭対策に洗口液(マウスウォッシュ)を利用している人は多いと思いますが、うがい薬にも口臭対策に効果が期待できるものがあります。
うがい薬の種類と効果をみていきます。
うがい薬は万能ではない!!
まず口臭対策の為に、口臭の原因について確認します。
口臭はそのほとんど(8~9割)が口の中に原因を持ちます。そしてそのほとんどが口の中の細菌によって引き起こされています。
細菌が食べカスなどを分解し、腐敗する時に発生するガスが口臭の元になる場合が多いのです。
ではうがい薬は口の中で何をするのかというと、口臭を作り出す細菌の働きを弱めようとしているのです。
その為にうがい薬には殺菌、抗菌成分が入っています。
マウスウォッシュ、一部殺菌成分が入っていなくて、香り付けだけのものもあります。
ただしうがい薬でうがいをする事で、口の中の細菌(虫歯菌や歯周病菌など)を全て除去できるわけではありません。
というよりも、うがいだけではほとんど除去できません。
それには理由があります。
口の中の細菌はただそこにいる訳ではありません。
細菌は歯垢(プラーク)の中に存在していて、それらはバイオフィルムというネバネバした物質でガードされていて、また歯や歯垢のすき間にベットリくっついて簡単には剥がれません。
バイオフィルムは水に溶けないので、うがい薬の抗菌成分が歯垢の中の細菌まで届かないのです。
ではどうしたら良いのでしょう?
そうです、その為の歯磨きなんです。歯垢を物理的にブラシで壊してやる事が必要なのです。
そして、できる限り歯垢を剥がした後にうがい薬で殺菌、消毒する事で効果が現れるというながれ。
では、うがい薬にはどんな種類があるのかについてです。
イソジンうがい薬
医薬品
効能・効果
口腔内及びのどの殺菌、消毒、洗浄 口臭の除去
有効成分ポビドンヨードにより様々な細菌への殺菌効果があります。
ポビドンヨードとは、ヨウ素の強力な酸化力を利用し、またヨードチンキと比べて刺激が少なく粘膜にも使用できる、消毒・殺菌薬です。
長期の使用で色素の沈着を起こすことがあるようです。
ネオステリングリーン
医薬品
効能・効果
口腔内の消毒・抜歯創の感染予防
市販はされてなく、医療機関での処方が必要です。
有効成分ベンゼトニウム塩化物液が強い殺菌作用を持ちます。
また歯肉炎に関与している細菌にも効果があるとのデータもあるようです。
幅広い細菌の増殖を抑える作用があると考えられていますが、バイオフィルムには効果が無いとの報告があるようです。
コンクールF
医薬部外品
効能・効果
虫歯の発生、進行の予防・歯肉炎の予防・口臭の防止
有効成分グルコン酸クロルヘキシジンが、細菌に働きかけるというもの。
特徴としては、有効成分が長く同じ場所に留まる性質を持つため、殺菌効果が長時間持続するという点です。
またこのグルコン酸クロルヘキシジンは、バイオフィルムに対しても細菌の増殖を抑える効果が見られたとのデータがあるようです。
しかし、この物質には粘膜に使用する事でのショック症状が起こるとの報告があり、日本では非常に濃度の低い状態での使用しか認められていません。その為効果も穏やかなものとなります。
コンクールFのみが医薬品ではなく、医薬部外品なのもそのためです。
また、こちらも長期の使用で色素の沈着を起こすことがあるようです。
うがい薬には色々と効果はありますが、口臭に関して言うとやはり歯ブラシによるブラッシングとの併用が必須となります。