学校の終わり頃や、仕事のラストスパートにあたる夕方に、口の臭いを感じた事はありませんか。
ここでは夕方になると口臭が強くなる原因と、その対策についてみていきます。
夕方の口臭はなぜ起こる?
口臭には色んな種類があり、大きく分けると
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生理的口臭の3つに分けられます。
誰にでも程度の差はあれ、必ずおこる臭いで、時間帯や体の状態などによって発生します。
病的口臭
何らかの体の病気や不調によって発生する口臭で、歯周病や虫歯などの他に、胃腸や鼻、喉などが原因になることもあります。
一時的な口臭
食べ物や飲み物などによって臭いが出てくるもので、タバコやアルコールの臭いもこれに当たります。
ほとんどの場合は、時間の経過と共に口臭も無くなっていきます。
この中で夕方になると起こる口臭に当てはまるのは、生理的口臭。
病的口臭なら、夕方になると臭ってくる、ということはなく、ずーっと臭っていると考えられるからです。
生理的口臭が起こる原因とは?
まずは、生理的口臭が起こる原因を簡単に説明します。
口の中には常に細菌が存在していて活動していて、その数は億を超えるともいわれています。細菌は増殖するためにエネルギーを必要としますが、それらは
- 口の中の食べカス
- はがれ落ちた細胞
- 血液の成分
- 細菌の残骸
などのタンパク質を分解することによって手にいれます。
分解された食べカスなどは、腐敗していきそれと同時に、硫黄を含む気体を発生させるのですが、そのガスこそが口臭の元になるものなのです。
つまり、細菌が活動する事によって作り出されるガスが口臭となるのです。
それなら、その臭いはずーっと続きそうなものですが、先程書いたように、時間帯によって臭いの強さが違います。
なぜそうなるのでしょう?
生理的口臭を抑えるのに必要なものとは?
それは口の中にある、口臭を抑えるのに大切なものと関係しています。
その大切なものとは唾液です。
実は唾液には、口臭を抑えるための色々な働きがあるのです。
自浄作用
口の中の細菌のエサとなる汚れを洗い流す
抗菌作用
唾液の中に含まれる酵素などが、細菌に直接働きかけ、活動を抑える働きがある
緩衝作用
酸性の環境を好む細菌に対して、口の中を中性に保とうとする
これらの作用によって、口臭を抑えるのに非常に大切な唾液ですが、この唾液の分泌が減ってしまう事によって、生理的口臭が発生してしまうのです。
最も唾液の分泌が減ってしまうのは、寝ている間です。
寝ている時は、口も動かさず、食べ物も食べていないので、ほとんど唾液の分泌がありません。そのため口の中で細菌の活動が活発になり、口臭のガスが作られてしまいます。
その結果、生理的口臭としては、朝の寝起きの時の口の臭いが、最もきつくなります。これはほとんどの人が経験している事でしょう。
そして、その他の生理的口臭がきつくなる(唾液の量が減ってしまう)のが、空腹のときです。
この空腹な時というのが、夕方の時間帯と重なるのです。
お腹が空いている時というのは、「空腹のときに口臭が起こる原因は?」に詳しく書いていますが、何も食べていない等の理由から、唾液の分泌が減ってしまい、口臭が強くなってしまうのです。
夕方の口臭の対策は?
お腹が空いているのが口臭が起こる大きな原因なので、対策としては簡単に行えます。
軽く食べる
晩ごはんの前になるので、がっつりと食べる事はできませんが、何か軽くつまむようにすれば、唾液の分泌を促す事ができ、口臭も抑えられます。
水を飲む
仕事中で食べる事はできない、という場合には、何か飲み物を飲むだけでも効果はあります。その際には水かカフェインを含まないお茶(麦茶など)がより効果があります。
ガムを噛む
ガムを噛むのは、臭いでごまかすというのではなく、舌やあごを動かし、またその味によって唾液を出すことに意味があります。
夕方の口臭は、原因がはっきりしていて、対策も取りやすいものがほとんどです。ただし自分では気づいていない事もあるので、気になる場合は少し水分を取るなど注意をしましょう。