舌苔と胃に関係はある?

photo credit: Through the Stomach via photopin (license)

胃の調子が悪い時に口臭を感じる事はありませんか?

口臭の原因に大きく関わる舌苔(ぜったい)というものがあるのですが、この舌苔、胃と深い関係があるのです。

舌の汚れが口臭の原因?

舌苔とは漢字のままですが、舌の表面にできる白や黄色っぽい苔のような汚れの事です。口臭の原因は色々とあるのですが、そのほとんどは口の中にあると言われます。

そして口の中から発生している口臭の約60%が、この舌苔からだと言われています。

舌苔の成分には次のようなものがあります。

  • 食べカス
  • 口の粘膜からはがれた細胞
  • 血液の成分
  • 細菌

この中の細菌が口臭を作っていきます。

細菌はこれらに含まれるタンパク質を分解して増殖していきます。分解されたものは腐敗していき、揮発性(気体になりやすい性質)硫黄化合物と呼ばれる、口臭の元となるガスを発生させてしまうのです。

胃と舌苔の関係は?

舌に舌苔ができてしまう原因としては、まず口の中の汚れが溜まってしまう、という事があります。

口の中の粘膜は新陳代謝の為、はがれては新しいものができる、という事を繰り返しています。口の中は普通の皮膚と比べて、そのスピードが2倍になるとも言われています。

舌の表面には舌乳頭(ぜつにゅうとう)と呼ばれるヒダヒダが無数にあって、その隙間に剥がれた粘膜や食べかすなどが、埋まっていってしまう事でできます。

そしてもう1つの原因が、舌苔が体の不調によってできやすくなってしまう、という事。舌がその影響を最も受けやすいのが、胃なのです。

舌は食べ物を消化する働きを持つ器官であり、当然胃も同じです。この同じ働きを持ちつながった器官同士は、同様の症状を起こしやすいのです。

その為、胃の消化不良などによる不調が、舌の表面に舌苔として現れるのです。逆に舌の働きが低下してしまうと、胃にも支障が出てくるようになります。

口と胃は1つの同じ臓器である、という考え方をしているお医者さんもいるくらいです。

また体の不調が舌に現れる、という考え方は東洋医学では当然の事とされていて、舌を診る舌診(ぜっしん)という診断で体の中の不調(症状に現れていないようなものまで)を判断します。

胃以外にも、風邪や疲れが溜まっている時などに舌苔ができやすくなりますが、胃の調子が悪いときには、非常に現れやすくなるのです。

胃が原因でできる舌苔の対策は?

胃の不調が舌苔につながっている訳なので、胃の調子を悪くしてしまう習慣や生活を改善しましょう。当然胃の病気を患っている場合は治療が最優先です。

食生活

暴飲暴食、寝る前の食事、アルコールの飲み過ぎ、脂っこい食べ物の取り過ぎを控えましょう。バランスを考えて、野菜や果物の摂取を心掛けてください。

食べ方

よく噛みましょう。口は消化器です。口にある段階で消化を助けてあげないと、その負担はすべて胃に行ってしまいます。1回で口に入れる量を減らし、最低20回程度は噛む事を意識して食事を行いましょう。

間隔

胃を休ませて上げる事も必要です。自分が1日中働いていると疲れてしまうのと同じで、胃もずっと働いていると能力が落ちてしまいます。

消化には肉類でも4時間程でできるので、食事の感覚は4時間以上空けるようにしましょう。

また間隔を空けすぎると、空腹時間が長くなり胃液が胃の粘膜を傷つける事になります。その事からも朝食はしっかり取りましょう。朝食を抜くこと自体も口臭を発生させる原因となります。

生活習慣

ストレスや睡眠不足などは胃の調子を落としてしまう原因となります。十分な休養とストレス解消に努めましょう。